【直撃】中学生記者が高校生に! 兵庫県知事選や森友問題…ファクトチェックなきメディアの闇を斬る

’23年に『日本中学生新聞』を創刊
’23年に『日本中学生新聞』を創刊

理不尽な「政治タブー」への反発

政治の話を学校でしてはいけない、と先生に怒られた原体験が川中さんの出発点だ。子どもの権利条約第12条「意見表明権」を武器に反論しても「いろんな意見があるから学校でしてはいけません」と言い返された。

「日本の子どもへの人権意識は第一次世界大戦以前の状態のままで、子どもは大人の保護対象だという考えの人がいまだに多い。条約批准から間もなく32年が経とうとしているのに。この本をきっかけに、自分たちは権利の主体なんだと思ってもらえたら」と話す。

その悔しさが、『日本中学生新聞』創刊へ、生徒会長(最長3期)へ、そして3年間の取材活動へとつながった。

「石丸伸二さん(43)が安芸高田市長を退任した頃からSNSを通じてふわっと政治に関心を持つ同世代が増えた。友達とイラン攻撃やホルムズ海峡封鎖で日本はどう立ち位置を取るべきか議論したりするようになった。ただ、自分たちと同じ年齢の子どもたちが殺されているという実情はまだ見えていないんじゃないかな」 

若き記者が挑む憲法と森友問題

将来については「ざっくり言うと政治家かジャーナリスト」と語る。政治家を志すなら憲法改正議論の活性化と国連改革に取り組みたいという。

「憲法9条もアンタッチャブルと考えるのではなく、日本の平和主義とはどういうものであるべきか各々が問い直すタイミングだと思っています。憲法9条の本来の意味は自衛の戦争も認めないというもの。

しかし、憲法解釈は幾度も変更されたことにより現在は集団的自衛権も一部容認していると国は公言しています。権力者による勝手な解釈改憲ではなく、改悪案にならないように『日本の平和主義』とは何かを国民一人ひとりが考え、しっかりと議論をすることが必要ではないでしょうか、最終決定権は国民にあるのですから。

今の自民党の憲法改正案はダメだと思いますが、草案の中で同意できるのは臨時国会の20日以内開催義務化です。現行の憲法53条では『4分の1以上の議員が要求すれば召集しなければならない』と定めているのに、召集期限の明文規定がない。だから自民党政権は過去に野党から要求されても2〜3ヵ月無視し続けた。 

その縛りは憲法に盛り込むべきで、他にもSNS時代に生まれたプライバシー権・知る権利の明記など、アップデートは必要。知る権利が憲法に明記されれば国のシステム全体が変わると思うんです」

そんな川中さんが今もっとも追い続けているテーマが森友問題だ。 

「財務省が公表した調査報告書は当時の佐川宣寿理財局長(68)の指示で改ざんを行ったと書いているのに、財務省はメールは2ヵ月で自動削除されるので幹部のメールはないと言っている。メールがないのにどうやって改ざんの指示を行ったかわからないじゃないですか。ご遺族の赤木雅子さん(55)がずっとおっしゃっている第三者による再調査をなんとか実現していただきたい」

財務省は14日、森友学園への国有地売却に関連する公文書を開示した。しかし、7回目の今回で開示は終了とされ、関係職員のノートは不開示のまま、佐川宣寿・元理財局長がいつ、どのような指示をしたのかを示すような文書などは見つからず開きかけたフタが再び閉ざされた形だ。

この春、川中さんは高校生になった。インタビューはその前日、3月31日に行われた。「職業記者はすごいしリスペクトしている」と言いながら「行動の仕方については改めて議論が必要」とも付け加える。

2年半前、FRIDAYデジタルの前に現れたとき、川中さんの記者歴はまだ半年にも満たなかった。あれから川中さんは、テレビ大阪公式YouTubeで『中学生記者・だいじの対談クラブ』のレギュラー枠を持ち、ABEMAや文化放送にも出演。岸田元首相や石破茂前首相(69)への直撃取材を重ね、参院選では国民民主党候補のスクープを『日刊ゲンダイ』に放つほどに成長した。

卒業から間もなく一冊の本を手にしていた川中さんは、「FRIDAYデジタルの記事がきっかけで本になった」と言う。凱旋、という言葉がこれほど似合うインタビューも、そうはない。

▼川中だいじ ’10年、大阪市生まれ。『日本中学生新聞』記者。小学3年生のときに政治に関心を持ち、’23年に『日本中学生新聞』を創刊。「誰にも遠慮せずに書きたいことを書く」をモットーに、選挙をはじめ大阪・関西万博、IRカジノ、森友学園問題などを取材し、SNSやYouTubeで発信。雑誌やウェブメディアへの寄稿も多数。テレビ大阪の公式YouTubeチャンネル「大阪NEWS【テレビ大阪ニュース】」内の番組『中学生記者・だいじの対談クラブ』ではインタビュアーを担当。3月には著書『こちら日本中学生新聞』(柏書房)を出版。

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  • 取材・文田幸和歌子

田幸 和歌子

ライター

1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマに関するコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。

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