あん肝に負けぬ!?「くじら肝」 北茨城の民宿組合が共通メニュー
アンコウの一大産地、茨城県北茨城市の民宿組合がクジラの肝を食材にした共通メニューを開発した。扱い慣れたあん肝とともに、常陸牛のステーキにのせる一品だ。捕鯨会社や茨城キリスト教大学と連携し、「くじら肝」のブランド化をねらう。
プロジェクトを発案したのは組合長で、「あんこうの宿 まるみつ旅館」社長の武子能久(たけしよしひさ)さん(50)だ。ナガスクジラの肝が現在、ほとんど使われていないことに着目。「食べたら牛レバーのようで、よりフレッシュさがある。あん肝のように人気が出る」と考え、食材としての価値を高めることにした。
日本近海で母船式の捕鯨をする「共同船舶」(東京)と連携。仙台などで水揚げしたクジラから、肝を提供してもらうことになった。
水産庁によると、1960年度以降のデータで、国内のクジラの肉(鯨肉)の生産量は62年度の約22万トンが最多。近年は約2千トンで、当時から100分の1ほどまでに減った。
共同船舶の営業部長、高野雄介さんは「20万トンに戻すのは難しいかもしれないが、食料資源として健全な量をとっていきたい。国民が食の選択肢として、当たり前にクジラを食べられるようにしたい」と話す。
くじら肝は脂質が少なく、たんぱく質が豊富だとされる。このため茨城キリスト教大学からは「あん肝はくじら肝よりもたんぱく質が少なく、脂肪が多い。ひとつの料理で提供されれば相補効果が期待できる」と、栄養面でのアドバイスをもらった。
共通メニューは約9カ月かけて、組合員たちがアイデアを持ち寄って試作を繰り返した。
アンコウやナガスクジラの肝を軽くあぶって、常陸牛(約80グラムが2枚)のステーキにのせる。宿泊者限定の別注品として税込み7700円。常陸牛1枚だと同5940円。
5月1日から一部の宿泊施設で先行して提供し、順次広げる。1年間の限定だが、好評であれば続けていくという。組合は、他のクジラ料理のメニュー開発も検討する考えだ。問い合わせは、まるみつ旅館(0293・46・0569)。