牛のげっぷを減らして地球温暖化を防げ! 愛知県が実証研究
大村知事が農業総合試験場を視察
愛知県長久手市の県農業総合試験場の乳牛舎で、牛のげっぷから放出されるメタンガスを測定する装置が完成した。8日、大村秀章知事が視察した。 測定により、メタンガスを削減する飼料の開発に役立てる狙いがある。また、同試験場では市販のメタンガス削減飼料を与えた乳用牛から生産した牛乳を「高付加価値牛乳」として、6月ごろに東三河のスーパーマーケットで試験販売する予定だ。 メタンガス測定器は、乳用牛が搾乳しながら餌を食べる際に出すげっぷに含まれるメタンガス量を測定する。牛には識別票が付けられており、どの牛がどれだけ排出したかを個別データとして収集できる。 牛は牧草や穀物を胃で微生物発酵させて消化する。その過程で、メタンガスを副産物として発生させ、げっぷとして大気中に放出する。体重600㌔の成牛1頭で、1日に300~600㍑のメタンガスを排出するとされる。メタンガスは二酸化炭素の約28倍の温室効果を持つ。 農業総合試験場では、ギンナンなど県の特産品や食品製造の副産物を活用した飼料を牛に与え、県独自のメタンガス削減飼料の開発を目指す。ギンナンの食用とならない果肉部分には、げっぷのメタンガスを削減する効果があるという研究結果がある。
豊橋の中央製乳が協力
また、市販のメタンガス削減飼料を用いて、民間牧場でメタンガス削減の実証も進めている。削減飼料(カシューナッツ殻液など)を与えた乳牛から生産した牛乳を、環境に優しい「高付加価値牛乳」として、豊橋市植田町の中央製乳の協力を得て、東三河地域のスーパーマーケットで試験販売し、消費者の反応や購買動向を調査する予定だ。 大村知事は「愛知は中部地区最大の畜産県。牛のげっぷ由来のメタンガスを減らすことは重要だ。県内のギンナン産地では果肉の処分にも苦労しており、これが活用できれば一石二鳥になる。メタンガス削減飼料の開発を進め、県内、そして日本全体に広めていきたい」と話した。
東愛知新聞社