漢が滅び、唐が生まれ、宋が滅び、明が生まれた。王朝が変わるたびに、前の王家は根絶やしにされ、国の名前も、支配者の姓も、すべてが変わった。つまり中国では、王が変わると「国そのものが消滅」し、別の国が誕生するという構造になっているんです。
ヨーロッパも同じです。フランス革命で王家が断絶し、ナポレオンが新たな王朝を作った。イギリスでも戦争や婚姻のたびに王朝が交代して王が変わるたびに、国の正統性の根拠も変わっていったわけです。
しかし日本だけは、違いました。
鎌倉幕府が倒れても室町幕府が崩壊しても、江戸幕府が終わっても「日本」は消えなかったんです。
何故なら権力者がどれだけ変わっても、「日本という国の正統性の根拠」だけは変わらなかった。それが天皇という存在なんです。
源頼朝も、足利尊氏も、徳川家康も、天皇から官職を与えられることで初めて「日本を統治する正統な権力者」になれた。天皇の承認なしには、誰も「なぜ自分が日本を支配するのか」を説明できなかったのです。
言い換えれば、天皇がいたから、権力者が何度変わっても「日本」という国は一度も滅びなかったと言えるんです。
これが他のどの国にも真似できない、日本という国家の唯一無二の構造です。そしてこの構造は、2600年かけて積み上げた歴史の重みによってしか生まれない。今から新たに作ろうとしても、絶対に作れないものです。
最後の三つ目は「日本の始まり」を体現し続けてきた存在という役割。
2月11日の「建国記念日」が何の日か答えられる人は少なくなってきてますが、この日は神武天皇が即位した日です。
そして、この日が「建国」とされているということは日本という国の誕生は神武天皇の即位と同義だということなんですね。
日本の「始まり」は神話の時代、アマテラスの血を引く神武天皇が即位した瞬間です。そして今上天皇は、その神武天皇から父方の血統で一度も途切れることなく繋がっている126代目なんです。
つまり男系天皇の存在=「日本という国の生きた証明」であるということ。これが3つの機能すべての根っこにある話です。
だからこそ、父方ルートにこだわる理由もここに行き着きます。
神武天皇からアマテラスへの血統は、父方ルートで繋がっています。これは日本を日本たらしめる唯一の根拠であり、その証明となるシステムなんですが、母方ルートに切り替わった瞬間に天皇が「日本の始まりの体現者」である根拠が断ち切られる。
つまりそれは「日本」という名前は残るけど、2600年間続いてきた「日本」ではなくなるってことですね。
世界を見渡しても、同じ王家が2600年以上続いている国は日本だけです。デンマークが約1000年、イギリスが約1000年。どの国も遠く及ばない。だからこそ今上天皇が外国の元首と会見する時、その背後には2600年という他のどの国も持ちえない重みがある。これは日本が国際社会において持つ、お金では絶対に買えない唯一無二の資産です。
万世一系が断絶した瞬間、日本はこの資産を永久に失います。一度失えば、二度と取り戻せない。