京大、吉田寮「現棟」の建て替え方針発表 寮自治会は抗議声明

耐震工事が必要とされる吉田寮の「現棟」=京都市左京区で2026年3月19日午後3時23分、太田裕之撮影 拡大
耐震工事が必要とされる吉田寮の「現棟」=京都市左京区で2026年3月19日午後3時23分、太田裕之撮影

 京都大が耐震性の問題から寮生らに明け渡しを求めてきた学生寮「吉田寮」(京都市左京区)の「現棟」(1913年建造)について、「建築物としての歴史的経緯に配慮しつつ建て替える」との方針を14日に発表した。耐震工事のあり方について協議を求めていた寮自治会は16日、「唐突かつ一方的で受け入れられない」との抗議声明を出した。

 大学側は2019年、当時の寮生に明け渡しを求めて提訴し、25年8月に大阪高裁で控訴審が和解。大学側は寮生の退去後、速やかに耐震工事に着手し5年以内の完成に努めることになっていた。自治会は建て替えではなく建築的・歴史的価値を尊重する補修の速やかな実施を求め、大学側に対話再開を求める8858筆の署名を26年3月に提出していた。

 今回の大学側の発表はホームページへの掲載で、「裁判で主張してきた内容及び和解条項に従い、耐震工事(建て替えを含む)を検討してきた」「現代の学生生活に適した全学に対して公平な学習・居住環境を整備し、キャンパス全体の利便性と全学のための教育・研究環境の向上に寄与することを主眼に置いた」と説明している。

 さらに「建て替える際に創出される空間は全学生の共有財産として、キャンパス全体の教育環境の質的向上が図られるように活用する」と表明し、詳細の検討について「広く学内の意見を聞きつつ検討を続ける」としている。

 これに対し、自治会は抗議声明で「当事者との対話に基づいて建設的に問題を解決していこうとする姿勢が全くうかがえない」などと批判し、「現在の構造を最大限残す形で耐震工事の計画を策定していくいことを再度強く要求する」とした。【太田裕之】

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