悪の手先となってゴーカイジャーがふたたび地球にあらわれる。むかえうつゴーバスターズだが、戦いのなかでさまざまな時代と地域に飛ばされてしまった……
2013年に公開された約1時間のVシネマ。スーパー戦隊の2作品がコラボする、「VS」と題した恒例のVシネマシリーズだが、例によって正面対決は前半までで、中盤から協力して巨悪と戦う。
もともと『海賊戦隊ゴーカイジャー』は単独でも記念作品として旧作とコラボして過去の俳優もカメオ出演しており、そのノリを続けるようにヤツデンワニのような着ぐるみ怪人がさりげなく過去の風景に登場。宣伝として次回作の『獣電戦隊キョウリュウジャー』も変身後の姿で参戦。
特に良かったのは『侍戦隊シンケンジャー』の真シンケンレッド。過去の時代に飛ばされて現在と連絡をするために、記録を長期間保管して伝達する役割りで登場したのはSFらしいアイデアだ。
過去を舞台として戦うために、江戸時代を再現したミニチュアセットで巨大ロボットが戦う風景はスーパー戦隊では珍しくて見ごたえがあった。他にも中生代で3DCG恐竜が襲ってきたり、ゴーカイジャーらしいパルクールを組みこんだ殺陣があったり、ヒーローアクションが充実。
一方でゴーバスターズらしいシリアスよりのドラマも展開される。もともとの設定を延長して時間移動する技術の説得力を出したり、人工知能をもつロボットが人格を失う悲劇を描いて、そこからマニュアルでロボットを合体させるような変化球も楽しめる。ミニチュアをリアルに見せるオープンセットや着地で巻きあがる土煙など、ゴーバスターズ側はリアル寄りの特撮を見せる。
しかし現在に視聴するとどうしても顔をしかめざるをえないところがある。
コラボのメインとなる2作品の両方に問題のある俳優をかかえていることだ。
実直な司令官の黒木タケシを演じた榊英雄は複数の性暴力が告発されて刑事裁判で実刑判決が出るほどで、快活なゴーカイシルバーを演じた池田純矢は特殊詐欺で逮捕されて実刑判決を受けている。
それぞれ告発が2022年、逮捕が2023年なので、もちろんこの作品には堂々と登場している。知らずに起用しただろう関係者に責任はないが、ヒーロー側を演じた俳優の犯罪としては、あまりに悪質にすぎた。