法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』祝!まる見え36周年 桜満開!笑顔も満開!今年もお笑い怪獣が大暴れ ミステリークイズ3時間SP~!

 恒例の明石家さんまをゲストのリーダーにむかえた3時間SP。ゲストが獲得した賞金と同額の視聴者プレゼントとして、ひとりギフト券1万円ずつを同額になる人数まで出すという趣向。
 前半はあまりにゲストが不正解続きで、視聴者にハッシュタグで参加してもらう趣向が機能しなくなったため、所ジョージが中盤で正答に誘導したりする。


 最初のクイズは、居眠りで火事になった中国の女性におとずれた、ほんの少しの幸運。ゲストは料理が完成したと予想し、北京ダックと考えたが、正解は餃子。一応、オーブンで調理する北京ダックと違って、蓋をして蒸し焼きにする料理なので餃子が正解となるのはわかるが、他の料理の可能性も考えられるのに、種類を完璧に当てさせるのは難しいのではないだろうか……


「国境警備隊 アメリカ版」は、恒例のボーダーセキュリティ。
 ニューヨーク最大級の国際空港、ジョンFケネディ空港でナイジェリアの男性が税関に止められていた。いとこの結婚式に来たという自称学校教師で、結婚式の招待状はあるが、出生証明書や履歴書ももっている。招待状に書かれた教会に電話をすると予定の土曜日に結婚式などないという。しかしいとこに電話したところ、実際に結婚式をあげると説明され、パーティー会場も予約されていることを確認。結婚式の予定がないというのは教会側の記録ミスだった。しかし、南アフリカから来たからと念のため出生証明書や履歴書を身分証明のため黒人男性がもっていたのは、ICEが暴虐をふるう現在の米国の反映なのかもしれない。もっとも、この番組が撮影された時期がいつかはわからないが……
 また、逮捕状が出ていたためミシガン州のアンバサダーブリッジ国境検問所で制止された男が、逮捕状を出したカリフォルニア州が祝日で受けいれる人的リソースがなく、別の州としては解放することになった展開も興味深かった。男は逮捕された状況を受けいれて大人しくしていたが、はたして出頭するのかどうか……
 ミステリークイズは父親が先に住んでいて、母親とともに移住しにきた幼い子供ふたりについて。特に問題もなく入国させようとしたが子供たちが緊張しているので、それをどう解きほぐしたのか?という問い。答えは入国許可のスタンプを子供自身に押させるという、ちょっと大人な珍しい経験をさせるというもの。クイズを出す時にスタンプのクローズアップカットが挿入されており、それが伏線だと所ジョージが説明したのが、番組コンセプトを理解させる良い補助線になっていた。


「衛星カメラが捉えた地球の謎」は、今回は南米が多め。アルゼンチンからは沼地にある、回転した浮島が周囲にぶつかり少しずつ削れて巨大な丸になったもの。メキシコからは飛行システムによる精細な監視カメラ映像でカルテルの抗争を確認。
 ミステリークイズもペルーにある15mほどの大きさのある46個の渦巻きという謎で、答えは用水路。渦巻状に掘っているのは日陰になって蒸発を減らすためと、風の向きをととのえて水を流す力にするためだった。


 他にショート映像から、タイで非難が殺到した競技場がいったいどのようなものかというミステリークイズ。サッカーコートと共有するため、陸上のコースがほとんど四角*1だったというのが真相で、小さいというゲストの答えは真相の原因なのだから半分正解ではないかと思った。
 あと、『戦姫絶唱シンフォギア』の背景で直角の陸上コースが視聴者に笑われていたことも思い出した。アニメのそれもサッカーコートと併用するための設定だったので、ある意味では現実的な光景ではあったのだ。


「アルゼンチンの動物たち」は、世界遺産にもなっているバルデス半島の海洋生物を紹介。
 ゾウアザラシのケンカなど、良くも悪くも動物ドキュメンタリでよく見る光景ばかりだが、それゆえの安定した見ごたえはある。
 ちょっと珍しい光景といえば、なかなか潜ることができない赤ちゃんクジラの背中をカモメがついばむ映像。最近に広まった行動らしく、その傷がもとでクジラが死ぬこともあるという。
 オタリアの子供が、オス同士の争いにまきこまれて上にのしかかられ、ミルクを吐いてしまった映像も珍しくて良かったが、擬人化した台詞を言わせている演出は良くない。
 ミステリークイズはオタリアの子供がシャチの群れから逃れられた理由について。シャチは自分の子どもの訓練のため、生きた動物を利用するのだが、その用事が終われば殺さずに放置するためというのが真相。謎としては難しくないが、肉食動物が捕食対象を殺さない局面がある方向に進化するという興味深さがあった。


「衛星カメラが捉えた地球の謎」の後半は、ルーマニアの奥地にあるカラフルな湖などを紹介。それはチャウシェスクの政策で、後先考えずに銅鉱山を開発し、汚染水をたれながした結果だった。水面につきでた尖塔が痛々しい。
 ミステリークイズは、予告映像などでも流れた指紋のような島について。なぜ指紋に見えるような石垣の列が積まれたのかという謎だが、どう見ても防衛にも使えないような高さで、段々畑のような一次産業目的に見える。真相は実際にブドウ畑のための石垣で、樹木が消えたのはウサギが増殖して畑を荒らしてしまったからだった。意外性がない……


「運命を分けたザイル」は、1985年にアンデス山脈のシウラ・グランデ峰に登頂したふたりが、下山中に事故を起こして、究極の選択をせまられたという逸話を紹介。
 ベースキャンプにひとりをのこし、最低限の装備で登頂に成功したふたり。しかし下山時にひとりが足を骨折。ザイルで引っぱりながらふたりで下山するようにしたが、骨折したひとりが滑落して中空にぶらさがった状態になる。のこりのひとりも急斜面のためずるずる滑っていき、ついにザイルをナイフで切断する決断をした。そしてひとり命からがらベースキャンプに帰還する。
 一方、クレバスに落ちた側も雪がクッションになったおかげか生きていた。登ることは困難なので、くだっていく*2。運よく底にたどりついて、はいあがれる高さに出口があった。そして雪に残された足跡をたどって、倒れこんだ川で尿の臭いをかぎ、ベースキャンプにたどりついたことに気づいた……
 ミステリークイズは、ザイルを切ったことは許した生存者が怒った理由。それは気持ちを切りかえるため、生きているとは思わずキャンプに残していた服を燃やしていたためだった。ゲストでほぼ正解を出していた人がいたのだが、尿のにおいに怒ったという答えに決めてしまって不正解。


「奇妙なカルテ」は、食べても食べても空腹を訴え、ついには怒りだしてしまう10歳の男子について医学的に解明をする。
 食べても体重が増えず、肝臓が巨大化してしまっていた。どの病院に行っても手だてがなかったが、ひとりの看護師がそれに似た症状の研究者*3につなぐ。
 それは後天性全身性脂肪萎縮症という難病で、食べたエネルギーを脂肪にたくわえられない病気。余ったエネルギーを肝臓が受けとめるため、肥大化してしまったのだ。
 未承認の薬にかけて、見事に治療に成功。成長した男子は、今ではレスリング部に所属して、筋トレを行うスポーツマンになった。
 ミステリークイズは謎のてんかん発作をおこす黒人女性について。音楽でてんかん発作が起きることを脳の電気の検査で確認したことや、その発作をおさえるため該当する脳の部位を壊すという治療方法の乱暴ぶりが印象的ではあった。


「なりすまし詐欺師の元サッカー選手」は、英国で別人に成りすまして契約したり恋愛関係になったりして、その信頼を利用してキャッシュカードを盗んだりする男を紹介。
 複数回逮捕されて服役しながら、出所しては似た犯罪をくりかえすところに驚く。冒頭で紹介されたインフルエンサーの女性との関係がパパラッチされて報道された時はさすがに気づく人が多数いたらしいが、基本的には堂々とした態度で騙すことに成功して、気づかれそうになったら逃げだしてすませる。
 その能力をつかって再犯しがちな犯罪者のためには、社会復帰のために通常の犯罪者と違って関係機関が監視し管理するべきではないか。くわえて、このような男がいると社会の側が広く注意喚起する責任もあるだろう。


 番組最後の3時間SP恒例となった鼎談だが、米国によるイラン爆撃への興味関心が語られたりと、日本の「政治」に明確に言及するところが興味深かった。バラエティなりに真面目なドキュメンタリをダイジェスト放送する番組らしさがある。
 そこで所ジョージが助成金への不信感を語ったり、どうも政党助成金を今回の衆院選で初めて認識したらしいことは、選挙権をもって長いだろう高齢男性としてどうかと思った。一方で、明石家さんまが米国主導のイラク戦争への加担に税金がつかわれることに対して、当時に行政にどなりこんだという逸話には感心する。きちんと二十年前はキャリアのある芸能人が主権者として「政治」をできていたのだ。

*1:短い辺はわずかに湾曲しているので、長い辺から曲がる時が急角度すぎるという説明が正確だろうか。

*2:行き止まりや崖につきあたる可能性が高く、山で生存するためには登るべきという話もしておいたほうが良かったと思う。

*3:女性だったことが印象的だった。