なぜ日本人が「手放した土地」を中国資本が買い占める? 重すぎる「相続税」が招く恐ろしい実態
「先祖代々の土地を手放すしかない」という日本人の悲鳴の裏で、着々と進む外国資本による土地買収。日本の重すぎる相続税が、結果的に国土を売り渡す手助けをしているという皮肉な現実があります。 【画像】また増える、年収によって結構違う……「独身税」の支払額 元内閣官房参与で数量政策学者の髙橋洋一氏は、著書『60歳からの知っておくべき政治学』のなかで、財務省のデータに隠された真実や、世界標準から大きくかけ離れた税制の実態など、大人世代こそ身に付けておきたい政治知識を分かりやすく解説しています。 今回は本書から一部抜粋し、マイナンバー制度の普及によって合理性を失った相続税がいまだに残され、国益を損ねている構造的欠陥について紹介します。
◆日本の相続税は突出して高い
筆者は「相続税ゼロ」を主張してきたが、その根拠を説明する。日本では相続税が高いと認識されているが、実際に先進国と比較しても突出している。 財務省の資料を見ると、英国やフランスと同等と記載されているが、注意深く読むとそれは一部の限定的なケースであり、実態は異なる。米国は相続税が実質的にゼロだ。課税最低限が10億円近くに設定されているため、ほとんどの人が課税されない。資料ではその部分がわかりにくく表現されており、財務省の作為的な意図を感じる。 G7で見ると、イタリアとカナダは完全に相続税ゼロである。米国を含めれば、7カ国中3カ国がゼロ。残る国々も日本より税率が低く、日本は最も厳しい水準にある。
◆日本の土地が中国資本に置き換わる理由
相続税の目的は所得税の補完だ。所得再分配機能を果たすためという理由だが、それならば本来は所得税側で対応すればよい。 現在はマイナンバー制度により所得の捕捉精度が向上しており、課税対象を漏れなく把握できる状況にある。日本では相続税で所得再分配を担う必要性はすでに失われている。所得税の捕捉精度が高まれば、理論上、相続税は廃止しても構わないということになる。 なお、中国には相続税が存在しない。これは共産党体制において、土地や企業といった生産手段が本来国有であるという建前があるためである。 しかし、実際には中国人が日本国内で不動産を購入し、その資産を保有し続けている。中国では相続税がゼロであるため、所有権は代替わりしてもそのまま法人内で継続され、課税の機会が事実上、発生しない。 法人所有であれば名義も変わらず、法人の出資者が死亡しても中国国内では相続税がかからないため、日本の不動産が恒久的に外国資本に保有され続けるという状況が起こり得る。 日本人は相続税の負担から不動産を手放さざるを得ない一方で、中国人は持ち続ける。これにより、実質的な中国資本による土地支配が進行するリスクがある。