「大切なお金を返して」
「私たちの未来を壊した」
そんな言葉を浴びせられた悔恨を胸に、金融教育に向き合うファイナンシャルプランナー(FP)がいる。
名古屋市の「マネーテラス」社長、梶間勝善さん(41)だ。
老後不安や新NISA(少額投資非課税制度)の拡大を背景に投資熱が高まる一方で詐欺的な手法も横行し、資産を失う人は後を絶たない。
「加害者」となってどん底を見た「黒歴史」があるからこそ、梶間さんが伝えたいこととは――。
この記事は2回に分けて掲載します。
後編 「あなただけ」はアウト 元「加害者」が語る詐欺的投資の具体例
<前編の主な内容>
・「第二のバリ島」への投資
・被告側に自分の名前が……
・稼いだ金額がアイデンティティー
・本当の投資とは
「第二のバリ島」への投資
2019年、梶間さんのもとに一本の電話が入った。
「会社も担当者も電話に出ない」
前年まで働いていた不動産投資会社の顧客からだった。
梶間さんも担当者に電話やLINE(ライン)で連絡を取ろうとしたが、反応がない。
ほどなく会社から顧客に「事業が継続できなくなった」という一斉メールが届いた。
梶間さんはかつて、この会社の営業担当として「第二のバリ島」と注目されるインドネシア・ロンボク島の投資物件を販売していた。
発展を見込んで土地を所有し値上がり益を分配するという商品で、数百万円から3000万円を出資する人もいた。
梶間さん自身も1000万円を投資した。
顧客を連れ、現地を見学したこともある。
「手つかずの原野のようでしたが、キラキラしたバリ島の隣と思うと期待はふくらみ、その場で購入を決めた人も結構いました」
被告側に自分の名前が……
会社と連絡が途絶えた3カ月後、当時の顧客の一人が会社側を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状に並んだ被告側の末尾には、営業した梶間さんの名前があった。
裁判の過程でわかったのは、商品…
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