北九州市の旦過市場、遅れる再整備 商業施設や北九州市立大の施設完成遅れ 背景に資材高騰、事業費も膨張
(2)北九州市立大の施設
商業施設向かいの神嶽川に沿った区画=地図❷=では、市立大などが来月、5階建て施設の建設工事に着手する。 1階は市場の店舗、2~5階に市立大の新学部「情報イノベーション学部」(仮称)が入る予定。市場が立地する小倉都心部にはIT企業が集積しており、大学側にとっては共同研究などの利点が多い。学部の1~4年の定員は約470人で、多くの若者が活動することにより市場が活気づくことも期待されている。
27年3月末までに完成させ、同4月から学部の授業が始まる予定だったが、工事の基本設計の際に周辺店舗の安全確保などを考慮した結果、完成は8カ月遅れ、27年末の見通しになった。施設開設までの間、新学部の授業は北方キャンパス(小倉南区)での実施が検討されている。 また、当初20億円だった施設建設の総事業費は、資材価格の高騰などによって2倍超の約42億円に膨れ上がった。
市立大は、大学負担分の約8億円のうち3億円について、企業版ふるさと納税を活用してまかなう考えを明らかにしているが、3月上旬時点で確保できたのは1500万円にとどまっているという。市は「寄付が不足した場合は大学側への貸し付けなども検討している」としている。
(3)第3の施設も
大学施設の完成後、魚町銀天街側に伸びる区画=地図❸=では、市が市場の店舗を解体して区画整理を実施。27年度末に完了予定だったが、川にせり出すように連なる長屋状の建物を安全に解体するには慎重な工法が必要だとの判断から、3年遅れの30年度末までかかる見通しになった。この区画にも地権者らが施設を建てる計画がある。 大学施設などを除き、市が携わる再整備事業の総事業費は、当初より約23億円多い約57億円に増えている。
もともと約100店舗が軒を連ねていた市場では、大規模火災や再整備事業を機に移転したり廃業したりした店もあり、現在は60店が営業を続ける。市場関係者や地域住民の間には、再整備事業への不安の声がある一方、にぎわい創出への期待も大きい。市神嶽川旦過地区整備室は「次の100年も続く魅力的な市場にするため、官民一体となって事業を着実に進めていく」としている。
西日本新聞社