北九州市の旦過市場、遅れる再整備 商業施設や北九州市立大の施設完成遅れ 背景に資材高騰、事業費も膨張
100年以上の歴史があり、「北九州の台所」として親しまれてきた旦過市場(小倉北区)は、北九州市などが進める再整備事業により姿を変えようとしている。昭和の風情が残る古い店舗は取り壊され、商業施設や北九州市立大の新学部が入る施設などが建設される予定だが、近年の資材価格高騰や工事工程の見直しにより、事業費は当初計画より大幅に膨らみ、工期の遅れも繰り返し発表されている。事業の進捗(しんちょく)状況と今後の見通しをまとめた。(壇知里) ■北九州モノレール旦過駅のそばで建設が進む複合商業施設【写真】
(1)複合商業施設
再整備事業は2021年、老朽化対策や氾濫を繰り返してきた市場沿いの神嶽川の改修を目的に始まり、市は24年秋に市場店舗の解体作業に着手した。
北九州モノレール旦過駅そばの区画=地図❶=では、市が昨年3月から4階建て複合商業施設の建設工事を進めている。施設は同駅直結で、1階に市場の商店など約40店舗が入り、2階が飲食フロア、3、4階が駐車場になる。 今年3月に完成予定だったが、がれきの量が想定より多かったことなどから完成は7月にずれ込む見通しで、年内の開業を目指している。
この施設を巡る最大の懸案は、2階の飲食フロアを運営する事業者の選定だ。 このフロアには、北九州の食を堪能できる飲食店を誘致し、新たな旦過市場を象徴する場にすることを目指しており、当初は、市場の商店主らでつくる会社が2階部分の権利を市から買い取って運営する予定だった。しかし、資金調達が難航し、昨年7月に取得を断念した。
このため市は、駐車場も含めて2~4階部分を取得・運営する事業者を探すため、最低売却価格を12億3800万円に設定して公募を実施。別の会社が応募したが、今年2月、この会社も物価高騰などの影響で収益が見込めないとの理由で辞退した。 市は売却価格などの条件を見直して4月に再公募する方針だが、事業者が決まらなければ施設の年内開業は難しくなる。1階に入る予定の市場の商店には、22年の2度の大規模火災で被災して仮設店舗での営業を余儀なくされている店が多く「年末商戦には必ず間に合わせてほしい」との声も聞かれる。