自民党大会で陸上自衛隊員が国歌歌唱 防衛省幹部「軽率な判断だ」
12日に開かれた自民党大会で、陸上自衛隊員が国歌を歌っていた。自衛隊法61条は自衛隊員の政治的行為を制限しているが、防衛省や自民党は、党大会での国歌の歌唱は「問題がない」とする。ただ、自衛隊には政治的中立が求められており、参加自体が「軽率ではないか」との声もある。
隊員は、党大会の冒頭に「陸上自衛隊が誇るソプラノ歌手」と紹介されて登壇し、制服を着て国歌を歌った。現役の自衛隊員が、政党の党大会で歌うのは極めて異例だ。
自民の鈴木俊一幹事長は13日の会見で、党大会の企画会社から、この隊員を紹介され、隊員個人に出演を依頼したと説明。「国歌を歌うことに政治的意味はなく、特に問題ないと聞いている」と話した。
小泉防衛相は投稿を削除
防衛省も「国歌の歌唱は政治的行為ではなく、自衛隊法違反にはあたらない。職務ではなく、私人として依頼を受けた。役所として指示はしていない」としている。事前に隊員からの連絡を受け、問題ないとの見解を示していたという。
これに対し、同省幹部の一人は「特定政党との距離の近さが問題になるかもしれないと、誰も事前に気付いていなかったとしたら問題だ。軽率な判断だった」と話した。
小泉進次郎防衛相は12日、この隊員との写真をX(旧ツイッター)に投稿していたが、その後、削除した。
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- 【視点】
自衛隊の「歌姫」は2011年ごろから注目を集め、自衛隊のイメージ戦略を支える重要な存在となってきました。今回の隊員もその象徴的なひとりで、記事では実名が伏せられていますが、検索すればすぐに特定できるほどの知名度があります。つまり、一般の隊員以上に社会的なインパクトを持つ存在ということです。そうした人物が自民党の党大会で国歌を歌えばどうなるでしょうか。広報に関わる者ならすぐに想像がつくはずです。今回、防衛省が事前に了承していたということですから、その判断はまさに軽率だったと言わざるをえません。同時に、依頼した自民党側も、国歌歌唱はほかにできるひとがいるのですから、自衛隊の中立性に配慮し、より慎重に判断すべきだったでしょう。結果として、誰にとってもプラスにならない結果となってしまいました。
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