「ベビーパウダー」に“アスベスト”混入…死亡した元美容部員の労災認定 遺族ら、資生堂等に「最新技術による商品調査」要望
最新の分析技術による網羅的調査を要望
ベビーパウダーにアスベストが混入していたことが明らかになったのは1986年頃。旧労働省所管の産業医学総合研究所が市販のベビーパウダーを調査した結果、一部の製品からアスベストが検出された。 これを受け、厚生省(当時)は1987年に検討会を設置し、各都道府県衛生主管部(局)長宛てに通知を発出。この通知をもとに、各都道府県衛生主管部はタルクの製造販売業者に対し、アスベストの混入がないと確認した原料を用いることを求めた。 厚労省は2006年にも「天然鉱物中の石綿含有率の分析方法について」を発出。タルクに含有されているアスベストの重量比についてより厳しい基準が適用され、判定する際に用いる分析方法もまとめられた。 会見で、「患者と家族の会」事務局長の澤田慎一郎氏は、「国が基準としている分析方法は20年前のものであり、化粧品会社によっては必ずしも最新の技術による分析が行われているわけではないと推測できる。現在の知見に基づけば分析が不十分の可能性がある」と指摘。 要望書を通じて、国内すべての化粧品メーカーに対し、過去から現在に至るまでのタルク含有製品について、最新の分析技術を用いたアスベスト含有の有無に関する再調査と結果の公表を求めた。
元従業員や消費者から不安の声100件
また現在、厚労省は建設業・製造業などで、過去にアスベストばく露作業に従事したと認められる人を対象に「石綿に関する健康管理手帳」を交付するなど健康管理制度を設けている。 手帳の交付を受けると、指定された医療機関で、定められた項目による健康診断を決まった時期に年1~2回無料で受けることができる。 しかし、元美容部員らにこの健康管理手帳が交付されるかは不透明だ。 澤田氏は「本件美容部員の労災認定の報道後、会には化粧品会社の元従業員や消費者などから不安の声が約100件寄せられた」と紹介し、国に次のように要望した。 「まずは元美容部員などが健康管理手帳を申請できるのか、厚生労働省には考えを表明していただきたい。 あわせて、既存の健康管理制度の枠組みに入らない場合や、あるいは一般消費者で不安を抱える方の健康管理のあり方については、関係省庁で連携して相談窓口を設けるなど体制を整備してほしい」(澤田氏)