「ベビーパウダー」に“アスベスト”混入…死亡した元美容部員の労災認定 遺族ら、資生堂等に「最新技術による商品調査」要望
1974年から77年にかけて化粧品会社で販売員(美容部員)として働いていた女性が2024年に中皮腫で亡くなったのは(当時68歳)、化粧品やベビーパウダーに含まれるタルクに不純物として混入していた石綿(アスベスト)にばく露したことが原因だったとして、昨年12月仙台労働基準監督署が労災を認定した。 【画像】アスベストとの関連が明らかな5つの疾病 遺族と支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」は、10日、女性が当時勤めていた資生堂と、国(厚労相・環境相・内閣府特命大臣)、業界団体である日本化粧品工業会に要望書を提出し、都内で会見を開いた。 要望書では、最新の分析技術を用いたタルク含有製品へのアスベスト混入の有無に関する調査と結果の公表、元化粧品販売員や消費者に対する周知とリスク評価、健康管理体制の整備等を求めた。
「美容部員」の業務がアスベストばく露期間に
被災者の女性は、2024年1月から体調不良を自覚し、同年4月に「悪性胸膜中皮腫」と診断された。療養中に労災申請を行ったが、同年10月に亡くなった。仙台労働基準監督署は、調査の結果、美容部員時代のアスベストばく露を業務上疾病と認め、12月、女性の死亡を労災と認定した。 女性は1974年から77年にかけて資生堂(現:資生堂ジャパン株式会社)仙台駐在所で化粧品販売員として勤務。顧客の化粧等に関する相談に対応し、メイクを実施するなど業務において化粧品やベビーパウダーを日常的に使用していたといい、この期間が労基署によって「石綿(アスベスト)ばく露期間」と認められた。 アスベストばく露をめぐっては、これまで建設業や製造業など、建材や断熱材を扱う現場での健康被害が大きな問題となってきた。 一方、過去にも医療用ゴム手袋の再利用や時計の宝石加工で「打ち粉」としてタルク(ベビーパウダー)を使用していたことで中皮腫を発症し、労災が認定されたケースもあった。しかし、化粧品経由でのアスベストばく露が労災認定されたのは、本件が初めて。