練馬区長選で吉田健一氏初当選 自民推薦の前都議・尾島氏らを破る

立岩穣一
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 東京都練馬区長選が12日に投開票され、無所属新顔で幼稚園理事長の吉田健一氏(59)が、前都議の尾島紘平氏(37)と会社経営者の三上恭平氏(43)の2人を破り初当選した。

 尾島氏は自民、国民、都民ファ、東京維新の会が推薦していた。自民にとって東京都内では3月の清瀬市長選に続く、推薦候補の落選となる。

 吉田氏は政党から推薦を受けない「完全無所属」を掲げ、「すべての人の声を公正公平に受け止めたい」と主張、複数の市民グループが選挙戦を支えた。争点の一つになっていた区立美術館の建て替えには否定的な立場で「物価高騰の中、子育て支援や住宅補助など先にしなければならないことがある」と訴えた。

 尾島氏は現区長から後継指名を受け、自民、国民、都民ファ、東京維新の会が推薦した。かつて秘書を務めた小池百合子東京都知事からも全面的な支援を受けたが、及ばなかった。

 三上恭平氏(43)は浸透しなかった。

確定得票

当 123,164 吉田 健一 59 無新 (1)

90,135 尾島 紘平 37 無新

6,811 三上 恭平 43 無新

※カッコ内数字は当選回数

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立岩穣一
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    米重克洋
    (JX通信社 代表取締役)
    2026年4月13日0時11分 投稿
    【解説】

    今後の小池都政や来年の統一地方選、再来年の都知事選に向けて影響がありそうな結果だ。ポイントは4つほどある。 ①まず自民党が高市内閣もろとも国政で高支持率を得ながら、その勢いを地方選挙に投影できない事例が新たに増えた。「高市ラベル」はその支持構造から、以前より膨れた自民支持層と無党派層を有利に固めるのに有効そうに見えるが、実際には機能していないとなると、自民党にすれば来年の統一地方選が不安になってくるだろう。 ②自公連立が崩れ、公明支持層が非自民側の候補者に流れがちであることが練馬にも影響した可能性があり、分析が必要だ。 ③次に小池知事の支持層を動員する小池ラベルが十分機能しなかった可能性があること。ここが都政において最も重要なポイントかもしれない。練馬区は小池知事の自宅もある地域で(区割りが変わる前の旧東京10区域=小池知事の衆議院議員時代の地盤でもある)、尾島氏は小池知事が国政に転身する時に練馬区議として政治行動をともにした議員の一人だ。小池ラベルを纏うことは都民ファーストの会の必勝戦略だが、それが機能不全となると話が変わってくる。②で挙げた公明支持層も小池ラベルで靡かなくなっている可能性がある。 ④最後に練馬固有の事情。票差や投票率を見る限り、無党派層もかなり吉田氏側にながれたと見るのが自然だ。そもそも前回2022年の練馬区長選で今回当選した吉田氏が前川前区長に2000票差まで迫っており、現職区政への評価がわりあい低かった可能性がある。その後継色が強く出たうえ政党相乗り候補とみられると、区政を評価しない層が変化を求めて吉田氏に投票する素地ができる(後継新人だと実質的に長期政権がまた4年続く、と見えなくもない)。美術館建て替えなどの争点がそうした投票行動に影響していないかも分析が必要だろう。 このようにポイントを見ていくと、練馬固有の事情、特殊ケースというよりは、都内全域で今後の政治情勢に影響を及ぼすようなタイプの結果とみた方が良い。

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2026年4月13日7時44分 投稿
    【視点】

    最近の自治体首長選挙の結果からは、自民党系の候補者は支持を失いつつあるように見える。個別の政策に関しても自民への批判は強い。むしろ世論調査で政権支持率が異常に高い状態が続いていることの方が奇妙である。世論調査における調査方法別の回答率や回答

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