埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)で白血病患者5人が抗がん剤の注射後に神経症状を発症し、1人が死亡、2人が重体となっている事案が最初に判明してから11日で1カ月がたつ。患者側は原因究明を求め、センターは調査を進める。病院に命を預ける患者や家族は、医療現場で事故や、事故のおそれに直面した場合、どう対応すればいいのか。
事案は、小児医療センターが3月11日に会見して明らかになった。これまでの説明によると、神経症状を発症した5人は背骨の周辺から注射する「髄腔(ずいくう)内注射」を受けた患者。このうち3人からは、本来使われるはずのない薬液「ビンクリスチン」が検出された。
病院側は会見で「事件事故両面のことを考えて」警察にも相談したと説明。岡明病院長は、患者側に自ら経緯を説明したとし、「原因究明を徹底してほしいという強いご意見をいただいた」と話した。センターは事故調査委員会を設置する方針だ。
医療法の改正で2015年10月に始まった医療事故調査制度では、医療で「予期せぬ死亡」が起きた場合、病院や診療所は第三者機関の医療事故調査・支援センターに報告したうえで原因を調べ、遺族やセンターに説明・報告する義務がある。目的は再発防止や医療の質の向上で、責任追及ではない。今回の事案も、医療事故調査・支援センターに報告されている。
同センターに指定されている一般社団法人日本医療安全調査機構(東京都港区)によると、近年の医療機関で発生した死亡事故の届け出は年間300~400件ほど。医療現場での事故は後を絶たないのが現状だが、「予期せぬ死亡」かどうかを判断して届け出るのは病院側だ。
経緯や医師らの説明を記録、カルテの開示請求も
事故の当事者となったり、医…