「無印良品」海外で成長加速 売上高1兆円へカウントダウン
期末店舗数は1460店舗(国内700店舗、海外760店舗)。国内では郊外を中心に収益性の高い店舗の出店を進め、17店舗増加した。海外事業は31店舗増の760店舗となった。純増数が計画より下振れしているのは、1店舗1店舗の収益性を重視したためだ。
海外事業の成長が顕著だった。国内事業の営業収益が2443億円(前年同期比8.1%増)に対して、海外事業が1942億円(同24.5%増)、営業利益では国内事業の274億円(同14.2%増)に対して、海外事業が382億円(同28.6%増)と20%以上の増収増益になった。円安の影響、出店の拡大やオペレーションの実行力の向上に加え、「無印良品」のブランドの思想やコンセプトの浸透も進んだ。
日本流を海外に持ち込む「輸出モデル」から、「生産の内製化」を武器に、グローバルで展開するコア商品・グローバルMDと、世界各地のニーズに応じて現地で企画・開発した商品を融合させて販売するローカルMD、さらに、それらを持ち寄って各国で最適かつ魅力的な品ぞろえを行う、グローカル(グローバル化とローカル化をハイブリッドで行う)MD展開という独自性の高いビジネスモデルの磨き上げが進んだ。
カギを握る「8つの成長ドライバー」
2030年を見据えた「8つの成長ドライバー」は以下の通りだ。
①世界主要都市での旗艦店と、地方自治体と連携した国内ドミナント出店の両輪で「出店拡大の加速」を行うこと。②在庫精度と接客品質を世界標準へ引き上げる「日本式オペレーションのグローバル波及」。③スキンケア、衣服、食品の3本柱を海外でも主軸に据える「グローバル・コア商品の確立」。④生産の内製化率をさらに高め、究極の「安くて良い品」を追求する「生産性改善・SCM改革」。⑤世界中で会員基盤を統合し、顧客一人ひとりにパーソナライズされた提案を行う「OMO戦略の再定義」。⑥「無印良品マイル」を核にLTV(顧客生涯価値)の向上を図る「マーケティング・CRM」の推進。⑦現場の負担を減らし、創造的な業務にシフトするためのIT投資を行う「IT・テクノロジーの全面刷新」。⑧リサイクル、地産地消、地域貢献を「ビジネスそのもの」に組み込む「本業としてのESG」。