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下関市に「学びの多様化学校」山口県内初 不登校生徒に安心の居場所を

開校式では教職員が一人一人紹介された=3日、下関市関西町

開校式では教職員が一人一人紹介された=3日、下関市関西町

ゆとりある授業時間数を設定


 従来の学校になじめずに不登校になっている子どもたちの学びの場を確保する「学びの多様化学校」として、山口県の下関市教育委員会が本年度、文洋中学校関西分校を同市関西町の関西小学校内に新設した。安心できる居場所づくりやゆとりある時間設定を通して、コミュニケーション能力の向上や自信獲得など生徒の成長を支える。県内では初めてとなる設置で、3日に現地で開校式があった。


 関西小学校南校舎の2、3階部分に設置。ここには市教委が2015年度から不登校の生徒を受け入れる文洋中の分教室を置いてきたが、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成できる文部科学省指定の学びの多様化学校に発展改組した。


20人が入学、転入


 市内在住の中学生が対象で、今春は1年生3人、2年生10人、3年生7人の計20人が入学や転入する。定員は各学年10人程度の計30人程度。午前9時ごろの登校、午後3時ごろの下校とするほか、全学年とも年間の授業時間数を標準的な学校よりも210時間少ない805時間に設定することで余裕を持たせる。常駐の教職員数も分教室時代の4人から10人に増やした。


 学校全体の将来像を「『できること』『やりたいこと』『なりたい自分』探しを支援します」、目指す生徒像として「自分で進路を決め(選び)、歩み出すことができる生徒」とし、これらを具現化するための分校独自の特色的な教育活動「e―がく(学)」を、ゆとりのできた時間を活用して行う。30分授業で5教科の学び直しや発展学習に取り組むほか、音楽と美術、技術・家庭科を合わせた新設教科による表現活動や、体験活動を通した探究的な学びを重視する。


 通常の学校を連想させる黒板ではなくホワイトボードを採用し、デリケートな生徒に配慮した音の出にくい床にするなど、安心できる雰囲気に。1人になりたいときに利用できる個別スペースやテントやソファベッドを置いた部屋もある。朝と夕の1日2回、生徒にタブレット端末で気分を聞く「こころの健康観察」を実施する。


 開校式には前田晋太郎市長や繁吉健志県教育長らが出席。磯部芳規市教育長は「子どもたちの思いや願いを受け止め、温かく、粘り強く支えてほしい」と式辞を述べ、田口真一校長が「生徒一人一人に丁寧に向き合い、安心して過ごせる居場所づくりに全力で取り組む」とあいさつした。14日に転入学式がある。


 市教委学校教育課によると、24年度末の市内の不登校者数は小学生308人、中学生405人。


(石田晋作)


  • 開校式では教職員が一人一人紹介された=3日、下関市関西町開校式では教職員が一人一人紹介された=3日、下関市関西町
  • 「ホームベース」と名付けた教室にはホワイトボードや音の出にくい床を取り入れた=3日、下関市関西町「ホームベース」と名付けた教室にはホワイトボードや音の出にくい床を取り入れた=3日、下関市関西町
  • 仕切られた中でくつろげるようにした「ほっとルーム」=3日、下関市関西町仕切られた中でくつろげるようにした「ほっとルーム」=3日、下関市関西町
  • 和室にテントやクッションなどを置いた「くつろぎスペース」=3日、下関市関西町和室にテントやクッションなどを置いた「くつろぎスペース」=3日、下関市関西町

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