大麻銘柄を仕込むタイミング
大麻銘柄には明確なパターンがある。
「合法化ニュース→急騰→実態が追いつかず下落」の繰り返しだ。
2024年5月に米麻薬取締局が再分類の動きを見せたとき、CGCは33%上昇した。2025年8月にトランプの再分類検討が報じられたとき、TLRYは15%跳ねた。12月の大統領令で再び急騰。だが毎回、数週間から数ヶ月で元の水準に戻る。
なぜか。
大統領令が出ても、実際に米麻薬取締局が最終規則を公布するまでは「法的には何も変わっていない」からだ。
成長は本物
大麻市場そのものの成長は疑いようがない。
世界の大麻市場は2026年に約450億ドル、2031年には約866億ドルに達するという予測だ。CBD単体でも2031年に約244億ドル規模が見込まれる。北米が市場の73%を占め、アジア太平洋が最も高い成長率(年間約14.8%)で追随する。
しかし、主要上場企業の業績は依然として赤字が続く。
CGCの2026年度の市場予想はは1株あたり21セントの赤字。TLRYは売上が前年比11%増の2億670万ドルに伸びたが、利益は出ていない。市場は成長しているのに、企業は儲かっていない。
日本の動き
日本でも、2024年12月12日に改正大麻取締法が施行された。大麻は「麻薬」に再分類され、使用罪が新設された一方で、CBD由来の医薬品の使用が条件付きで解禁された。規制の軸が「部位」から「成分」に移行していくステージだ。
世界的に「大麻=全面禁止」から「成分ごとの規制」へとパラダイムが移行しつつある。ドイツも2024年4月に所持25gまで非犯罪化し、2026年には小売ライセンスの付与が始まる。
仕込みはいつか?
大麻銘柄の値動きは、業績や技術革新ではなく、規制当局の一言で30%動く。これは通常のグロース株とはまったく異なるリスク構造を意味する。
仕込むタイミングの判断軸は3つ。
第一は、米麻薬取締局の最終規則が公布される前
大麻銘柄は「期待で上がり、確定前にもう一度資金が入り、確定後に売られる」というパターンを繰り返してきた。つまり、急騰後に沈み切った局面で仕込み、最終規則の公布前後で利確を検討するのが、もっとも合理的な戦略になる。
第二に、ヘンプ規制強化のタイミング
2026年11月に米国でTHC含有量0.4mg超のヘンプ由来製品が禁止される。ヘンプ市場の縮小は、正規の大麻企業にとっては競合排除=追い風となる。この規制発効前後で、大手大麻企業の相対的優位性が再評価される可能性がある。
第三に、IRC Section 280Eの撤廃
スケジュールIIIに再分類されれば、大麻企業に課されていた懲罰的な税制(経費控除不可)が撤廃される。これだけで利益率が劇的に改善する企業がある。「赤字企業が一夜にして黒字化する」シナリオは、株価へのインパクトとして最も大きい。
どんな銘柄を選ぶべきか?
1株数百円の「超低位株」を買うからには、「大化けして10倍になるか、最悪ゼロ(紙切れ)になるか」という覚悟が必要だ。
銘柄を選ぶ際にチェックするポイントをあげてみる。
1:手元の現金はいつまで持つか?(生き残り力)
赤字の企業にとって一番大切なのは、倒産せずに生き残ること。今のペースで現金が減っていった場合、あと何ヶ月持ちこたえられるかは確認しておいた方がいい。
2:税金のペナルティがなくなったら、黒字になるか?
今の大麻企業には非常に重い税金が課せられている。今後、規制緩和でこの税負担がなくなったとき、きちんと利益を出せる体質なのかが重要。
3:海外市場に進出しているか?
ドイツやオーストラリア、タイなど、大麻のルールが緩くなっている国々に、すでにビジネスの拠点(足がかり)を持っているかは大きな強みになる。
4:大きな株式市場へ上場するチャンスはあるか?
米国で手広く事業を展開している大手大麻企業は、現在のルールではナスダックなどの大きな市場に上場できない。しかし、規制緩和でこれが可能になれば、プロの投資家から巨額の資金が流れ込む可能性がある。
結論、今は「仕込み」の季節
大麻銘柄は、政策サイクルに乗る「イベント投資」だ。業績改善を待つ「グロース投資」ではない。
今この瞬間(2026年4月)は、トランプの大統領令の興奮が冷め、米麻薬取締局のFinal Ruleがまだ出ていない「谷間」にある。株価は沈み、出来高は細り、市場の関心は離れている。
歴史的に見れば、こういう局面こそがエントリーポイントだった。
大麻市場そのものは確実に成長する。問題は、その成長の果実を受け取る企業がどこかという点に尽きる。
※BNF氏本人への取材・監修に基づく記事ではありません。公開情報を元にした筆者の考察です。特定の銘柄を推奨するものではない。全てバーチャルな独り言。投資は自己責任で。
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