埼玉県立小児医療センター(さいたま市)で抗がん剤の髄腔内注射を受けた患者5人が神経症状を発症し、3人の髄液から使われるはずのない薬剤が検出された問題は、公表から1カ月で経緯解明の難しさが鮮明になってきた。焦点となる薬剤の管理を巡り、厳密な残薬量の記録が法的に求められていないため存在せず、センターの従事者への聞き取りなどで不備は確認されなかった。小児がん治療拠点の混乱は、患者転院など地域医療に影響を広げている。
「あり得ない事態」
患者5人が受けた髄腔内注射は、脊髄周辺に抗がん剤を投与する急性リンパ性白血病の標準的治療法として知られる。