“300年沈黙”の富士山が大噴火したらーー停電、断水、交通機関ストップ。火山灰がもたらす被害 #災害に備える
大きな課題は、火山灰を捨てる方法だ。 火山灰は雪と違い、消えてなくならない。富士山噴火に際して、住宅や道路に降り積もり、除去が必要な火山灰の総量は「4.9億立方メートル」にのぼるとされる。これは、東日本大震災の災害廃棄物のおよそ10倍に相当する量だ。 国は集めた灰を仮置き場へ運び、その後、最終的な処分をするという流れを想定している。しかし、想定される火山灰の総量があまりに多く、仮置きできる場所の確保が課題だ。 2025年の国の報告書では関東と山梨県、静岡県の1都8県を対象とした試算で、風向きによっては、東京都と神奈川県、山梨県では火山灰の量が仮置き場で受け入れ可能な容量を上回る可能性があることが示された。また、最終処分方法も報告書では、再利用や埋め立て、海への投入などさまざまな手段を組み合わせて処理する必要があるとされている。 前述の協議会では、仮置き場の選定も検討テーマとなっている。また、最終処分については国が引き続き検討するとしている。
「原則、自宅で過ごす」求められる備えは
富士山の火山灰に見舞われた時に、住民はどう行動すべきか。国は2025年の報告書で「原則として自宅等での生活を継続」としている。 富士山で噴火が起きた時、火山灰が多く出るのか、溶岩が流れ出るのかといった、噴火のパターンを事前に把握するのは難しいだろうというのが専門家の見解だ。深刻な影響が出る場所の予測も噴火が始まるまでは難しい。 そのため避難の基準は、雨が降った時に木造住宅が倒壊するおそれがある「30センチ」とされた。30センチ以上灰が降った場合は原則避難とされている。また、灰が3センチから30センチ降った場合も、基本的には自宅で過ごすことを求めているが、停電が長期化するなど生活への影響が大きくなれば、人工透析や介護サービスなどが欠かせない人は原則、避難が必要だとした。この指針をもとにして、今後それぞれの自治体は計画を立てていく予定だ。