【未経験・若手のネットワークエンジニアに無線LAN案件が狙い目な理由】
「設計や構築をやりたい。でも未経験じゃ難しいですよね?」
そう聞かれることがよくあります。
SESの現場では即戦力が求められるため、未経験者が設計フェーズに入るのは簡単ではありません。お客様からすれば「お金を払って手伝ってもらう」立場の人に、設計を教える理由はないからです。
では、どうやってその壁を越えるのか?その抜け道の一つが、無線LAN案件です。
無線LANと聞くと工事っぽくて非IT寄りじゃないかと思われがちですが、実は未経験からネットワークエンジニアとしてステップアップするには合理的な選択肢です。
まず、案件数が圧倒的に多い。
AP(アクセスポイント)やスイッチは、オフィスや病院、学校などで部屋ごと・フロアごとに配置されるため、1案件で100台を超える設置が発生することもあります。
当然、それだけ多くの人手が必要とされ、若手や未経験者でも参画しやすい構造になります。特に、大量の機器に対して似たような設定を入れていく作業や、現地での対応が求められるため、「単価100万円のベテラン1人より、単価30万円の若手3人の方が助かる」という現場も珍しくありません。無線LAN案件は、マンパワーが重視される現場なのです。
さらに、触れる機器の幅も広い。PoEスイッチ、WLC、UTM、VLAN、SSID、認証方式の設定など、ネットワークの基礎を網羅的に経験できます。
単なる設置作業に見えて、実は構成の理解、パラメータ設計、動作テストなど、設計構築への布石が数多く含まれています。
構築後には完成図書と呼ばれるドキュメント(設計図、施工記録、機器一覧など)を提出します。現地との差異があれば、設計書を修正する必要があり、その作業を任されることもあります。つまり、スキルシートに「設計書修正経験あり」と明記できる、貴重な実務経験になるのです。
無線LAN案件は夜間や地方出張が多く、他のエンジニアからは敬遠されがちです。しかしそれが逆に、若手にチャンスが回ってくる要因にもなっています。体力があり、成長意欲がある若いうちにこうした現場で経験を積むことは、確実にキャリアの糧になります。
実際、ケルンでも、未経験から無線LAN案件に参画したエンジニアが、ネットワークの基礎を理解し、1年後には大手SIerのネットワーク設計構築プロジェクトに参加するようになった例があります。
別のメンバーは、完成図書の修正を任された経験を経て、設計チームに昇格し、詳細設計書を一人称で作成できるレベルにまで成長しました。
とはいえ、無線LAN案件ならなんでも良いわけではありません。
機器のキッティング(設定作業)が含まれているか、現地作業を自分で行うかどうかは、案件選びの大きな分かれ目です。
工事調整だけを担当するPMP寄りの案件や、運搬・設置だけの作業では、次のキャリアにつながりにくいからです。
「APを設定し、現地で動作確認まで行った」
この実体験があってこそ、構築経験として評価され、設計構築フェーズへの道が開けます。
無線LAN案件は、地味だけど必要とされていて、かつ未経験にも門戸が開かれている数少ない領域です。ネットワークの入り口として、実に理にかなっています。