けもVを外縁から見る・しまっぽいどの歴史(5184字)
March 10th, 2026 02:09・All users
けものフレンズVプロジェクトというIPがあります。
年頃のオタクならみんな存在は知っている「ようこそジャパリパーク」の曲でおなじみ「けものフレンズ」のVTuberプロジェクトですね。今風にいうと箱ってやつ。
バラエティ現場での出会い
このブログの筆者であるイトッポイドは、テレ朝のVTuber番組「ガリベンガーV」のディレクターをフリーランスとして担当している流れで、毎週ネット生配信のMCを生身でやり続けていた時期があります。けもVさんとはそこで出会いました。
ふつうのVTuberさんとはだいぶ違うぞ、おもしろいコンテンツだなこれ、と思ったのは過去に執筆した評論系の同人誌に書いた通りです。
まだ少し在庫が残っているので👇で買えます。読んでくれるとうれしい。全2巻。
ガリベンガーVという番組は、VTuberカルチャーの歴史の中ではかなり特殊な番組です。この番組は
①「テレビっぽい場所にゲストとして呼ばれる」という構図を取りつつ
②女性VTuberが多い中、生身の男性演者を出演者として配置して文字通り多様性を強制的に作ることでゲームルールをめちゃくちゃにし
③その結果事務所の垣根をなんとなく破壊して、「まあテレビだし仕方ないか」というもしもの言い訳を作りつつ外部との共演の機会を実現する
という構図を実現させ続ける機構として存在していました。カルチャーを語る上で画期的な発明だと思っています。いわゆるテレビ業界の人たちの「どう区別したらいいのかわからない」ことが「区別をつけない」ことに裏返ったということですね。今まであまり言ったことないことを急に言語化してしまったなこれ。今なら言えることがたくさんあるので誰かイベントに呼んでください。
②には大学の先生たちや芸人さん、あとは生身のポイドも含まれます。初期のネット配信だと、当時ポイドは「スタッフというテイ」かつ「普通に演者」かつ「あまり出しゃばってはいけない」けど「芸能のプロではない方たちの話を繋ぎ」つつ「知識系の教養授業を展開する」というタコ足配線みたいな役回りだったのでガチやりがいの現場でした。相当鍛えられたので、今ではなんの苦もなくできます。これについてはまた別の機会に改めて振り返ってラジオで話したいです。たぶんカルチャーの歴史として話すべきことだと思うので。
そんな感じで共演していく中、コンテンツの作り手として「マジ神経使わずにお話できるお方」としてシマハイイロギツネさんを認識しており、いろんな業界人の集まりとかでも吹聴しまくっていました。ここぞという生配信は絶対お呼びしていたし、「流れを成立させるためには自分を演者として使いたいが、ポイドには華や箔的なもの(フォロワー数やファンの数)が無くて参加できない」イベントのときに、舞いを見せてくれる方としてプッシュさせていただくなど。
しまっぽいどのヒストリー
そんな中、進行役としてではない共演の機会として、1年前の「シマハイ3周年配信」に呼んでくださったのがこちらです。懐かしいですね。
進行役や引率役から解放されているポイドは当時超レアです。
そのせいかあまりに楽しそうすぎる。目も輝いています。
マジで動きがうるさすぎる。
今見てもみなさんの良さが炸裂している回なので、まだ見てない方はぜひ。
最近ポイドを知った人が改めて見ると、こいつこんな動きしてるんだ……と笑えると思います。どちらかというと動物というよりもバッタとかの動きに近い。
そして2025年2月にスタートしたのが「しまっぽいど」です。
お悩み相談をおたよりで送っていただき、JOQRばりに2人で話す、というテーマでした。ここから歴史が始まりました。
いわゆる公開SNSではないチャネルでメッセージを送る系(いわゆるお題箱とかマシュマロとかアンケートとか)の実施がレアというのもあり、ハチャメチャな量のおたよりが届きました。1通1通読む作業が膨大で楽しかったのを覚えています。ありがたい。
そこから1年が経ち、2026年2月に第2回配信。実に1年ぶりでした。
めっちゃ回数やってるっぽい雰囲気出てますけど、しまっぽいど形式だとまだまだ始まったばかりなんですよね。
前回を踏襲しておたよりテーマを2つに。どうにかシマハイねえさんっぽさ出せないかなーと「あんなことコンなこと」というタイトルコピーをひねり出してみたり。気づかれないしやらなくてもいいけどやった方が楽しいこと、はなるべくやっていきたい派です。
いただいたおたよりデータを色付けして見やすくしたり、コーナーごとの数をカウントしてグラフにしたり、読んだチェック機構を作ったりと、後ろ側の運用もいろいろ試してバージョンアップしました。Googleアンケート&Google Sheets運用に詳しくなりつつあります。
サムネイルはポイドが作っています。YouTubeの定石とはぜんぜん違うし、クリックを考えたらもっといい方法はたくさんあると思いますが、これもまた世界観ということで。
お悩み相談も、最終的なアクションが前向きなものが多くて答え甲斐がありました。"悩み"というよりも、「やっていくのは決定だとして、どのようにやるとうまくいくのか」の"検討"を一緒にできるのがしまっぽいどの良い所だと思います。ふわっと寄り添って癒しを提供するだけなら共感と寄り添いとやさしさだけで良いと思っています。ただ、そんな現実でどうやっていくか、という次の話もできればしたい。この欲張りな世界観で話せるのは、超レアな環境だと思っています。これが許されるリスナー環境はすごいこと!
そして先日の第3回です。サムネイルはファンアートを使わせていただきました。しまっぽいどファンアート、やはり感動でございます。
絵になるってすごいことですよね。絵になって複数人キャラが並ぶことってすごいことだと思っています。ありがとうございます。
巨大なパソコンに追いかけられるラジオバス。背景はなぜか北欧オーロラです。地面は荒野。どこだここ?
裏側としては、送っていただいたおたよりのラジオネームと本文を、自動で16:9のいい感じのpng画像をせーのドンで作成するためのスクリプトを書いたりしました。大量のおたよりを全て手作業でチョキチョキする工程を全くやらなくていいようになったので、これはやってよかったなと思います。OBSにポンでOK。せっかくポイドが参加しているんだから、こういう仕組みづくりで毎回の心理的・工数的ハードルを下げる工夫は積極的にしていきたい所存。
リスナーのみんなも聞き方がわかってきて慣れてくださってきたタイミングなのを感じます。というかシマハイねえさんのマインドセットがおもしろすぎるんだよな。トリコがスタージュンに遭遇したときのコマが脳裏によぎったよ。
ということで第3回までの歴史でした。また来月も舞えたらうれしいですね。
けもVを外縁から見ていて
けもV、というかけもフレのファンの人たちは、動物園に行ったり兵庫県に行ったり沖縄に行ったりとアクティブな人が多い印象です。もちろん公式サイド&関係施設のみなさんがいろんなリアイベや協業コラボを展開してくださるおかげでもあるんですが、根本的に「自分から楽しみに行くことができる人」が多いな、という印象があります。
ポイドもガールズ&パンツァーとヤマノススメで育った空気感を持つオタクなので、この時点でとてもシンパシーを感じています。自分から楽しみを発見したり、クリエイトしたり、勉強したり、うまくなったりすることができる。価値観を同じくする、同じ目線の誰かとコミュニケーションすることができる。それって人生の良い所そのものじゃないですか。
そしてその機会を与えてくれる作品って、とても素敵でありがたいことだと思っています。
そういった当時の(というより、ポイドが好きな)アニメファンの楽しみ方と、VTuberファンの楽しみ方は、正直かなり領域としては遠いところにある気がしています。後者はどちらかというと作品コンテンツというより、アイドルのそれに近い。始まりがあって終わりがある作品ではなく、まさに今を生き続けるVTuber/ライバーさんなのだから、それは当たり前のことなのですが。
そんな中でけもVは、活動を続けてきたけもVメンバーのみなさんたちが作り上げてきたオリジナルな空気感があります。ざっくり言うと、「両者のいいとこどり」が成立している。IPでもあり、今を生きている存在でもある。
これはご本人たちの頑張りの賜物です。なかなかやり続けられることではないし、醸成できるものでもない。どちらの業界から見ても、替えの効かない功績です。
そしてその功績は、ファンとコミュニケーションをし続けたけもVメンバーたちご本人にあります。構造だけ作ればいっちょ上がり、という話では全くない。再現性もそんなにない。
なぜならコンテンツとしてのけもフレは10周年。もちろんコロナ期間の前中後を経ています。10年経つと世代も変わるし、みんな大人になるし、若い新しい人もコンテンツに出会ったりもする。そんな状況だからこそという特殊状況も、もちろんあります。
時間は誰しも等しく流れるので、みんな年を取ります。高校生が社会人になったり、おじさんがもっとおじさんになったりする。なかなか思い通りにいかなくなってきたり、むしろ年齢を重ねて自由になってきたりもする。
作品に触れているときくらい現実のことは忘れたい、という気持ちも、最近は強く理解できるようになってきました。たしかに現実、つれえもんな。マジ無理。
でも一方で、だからこそ、いっぱい楽しめるものを楽しんでいきたいとも思うんです。貪欲に、フィジカルで、情報や刺激、感動を、自分の手と皮膚感覚でキャッチしていきたい。非日常のタイミングだけでなく、なんでもない日常だとしても、ずっと楽しんでいきたい。「楽しみを待つ」のではなく、「楽しみを作って楽しみたい」。
そっちの方が、単純にお得だと思うからです。
むろん、少し元気は必要かもしれませんが。
けもフレとけもVは、ファンのみなさんの中のそれをやっていっている人の割合が、他のジャンルと比べて多いように思えます。10年という長い年月があるからこそ、そうなったのかもしれませんね。
ポイドはそういう「楽しみが生まれるポテンシャル」を毎回共演させていただく度にリスナーのみなさんから感じています。だからこそしまっぽいど配信の中でも「次にどうするか」の話や「なんとしてでもエタらないために」の話、「どうやったら一歩進めるか」の話をしたがるのですね。
なぜなら、それができる環境をみなさんが持っているからです。そういういい年の取り方をした大人のみなさんがいると、自分もそうなれる気がするし、きっとそれはすごく楽しいことだと思うからです。
朝早く起きて、日々手入れをした古い旧車を各々広場に持っていき、みんなで椅子に座りながら眺め、昼頃に解散するアメリカのおじいさんたち。旅行にでかけて、まだ自分が見たことのない景色をカメラに収め、その写真をとつとつとサイトにアップし静かに交流する地球の裏側にいるカメラメーカーファンの先輩たち。年に2回のビッグサイトで同好の士と集まり続け、同人誌を出したりボランティアスタッフの精鋭となってきた歴戦の日本のオタクたち。
そういういい年の取り方をした人たちがいることを知ると、自分もそうなりたいし、そうなるための一歩を始めていきたいなと思うのです。
成長と共に、ちゃんと着る服を変えていけるように。でも喜びや楽しみは、増やしていけるように。
この地球上に暮らす動物、かつて暮らしていた動物がテーマのけものフレンズだからこそ、人として、等しく流れる時間をどう生きていくのかということを考えるきっかけになっているというのもあるかもしれません。
やらなくちゃいけないこと、やるべきことをやる「やっていき」から、やった方が楽しいこと、やった方がきっと素敵なことをやる「やっていき」に成長していきたいですね、ということを最近考えています。
ということで、ポイドはそういう世界観でいろいろをやっていきますし、そういうモノやコトを、裏方ではなくプレイヤーとして作っていきたいと思っています。同好の士だなと思った方は、ぜひ応援してくださるとうれしいです。
さいごに
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DiscordサーバーではXに書けないこともいろいろ書いてます。