第2話 陽だまりの特訓

 校庭から響くホイッスルの音と、塩素の匂い。

 いよいよプールの授業が始まった。


 男子更衣室で着替えを終えようとしていた俺のスマホが、一通の通知に震える。


『今すぐ女子更衣室の裏、備品庫に来て。あの券、使うから。』


 村上渚からの呼び出し。あいつ、本気で授業前に「特訓」するつもりか。


──


「……遅い」


 水着の上にラッシュガードを羽織った渚が、備品庫の隅で唇を尖らせて待っていた。


 手には、すっかり折り目のついたあの『乳もみ券』が握られている。


「……渚、もうすぐ授業始まるぞ?」


「わかってる。でも、さっき鏡見たら、やっぱり昨日より小さい気がして……。お願い、一回だけでいいから」


 渚は震える手でラッシュガードのジッパーを下ろした。


 紺色のスクール水着に包まれた、まだ幼さの残る白い胸。水着の生地が胸を圧迫しているせいで、余計に平坦に見えるのが不満らしい。


──


「……んッ、あ……」


 水着の胸元をぐいっと引き下げ、俺の手をその中に滑り込ませる。

 外の喧騒がすぐ近くに聞こえる緊張感で、渚の肌は粟立ち、蕾はすぐに硬くなった。


「……どう? 少しは張ってきた?」


「ああ……。水着がキツく感じるくらいにはなってるぞ」


 俺の適当な、けれど彼女が一番欲しがっている言葉を投げかけると、渚の瞳が熱っぽく潤んだ。


「……じゃあ、仕上げもして。……もっと、奥まで」


 渚は備品庫に立てかけられたマットに背を預け、自ら水着の股布をずらした。


──


 狭い備品庫の中、外の騒がしさを BGM に、俺たちは重なり合った。


 渚の熱い吐息が耳元を掠め、水着越しに押し付けられる胸の感触が脳を焼く。


「っ、あ……だめ、声、出ちゃう……っ!」


 必死に声を抑える渚の口を、俺は口づけで塞いだ。

 激しくぶつかり合う音だけが、不自然なほど静かな部屋に響く。


 極限の緊張と快感の中、俺は彼女の奥深くへ、今日の分の「特訓」を叩き込んだ。


──


 急いで水着を整えた渚が、頬を上気させたまま鏡で自分を確認する。


「……うん。なんか、さっきより自信出てきたかも」


 満足げに微笑む彼女の鞄からは、あの『乳もみ券』が少しだけ覗いていた。


「……じゃあ、プールサイドでね」


 渚はそう言い残すと、何事もなかったかのように駆け出していった。


 ……どうやら俺の放課後は、しばらくの間、この「特訓」で埋め尽くされることになりそうだ。

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