「骨まで食い尽くす!」正月の締めくくり「骨正月」に隠された、神様への感謝と日本人の究極のエコ精神
お正月といえば、豪華なごちそうが並び、家族や親戚が集まる賑やかなイメージですよね。しかし、その華やかな宴の裏側で、昔の日本人が大切にしてきた、ある究極のエコ精神と、神様への感謝を示すユニークな風習があったのをご存知でしょうか?
それが、正月行事の締めくくりとされる「骨正月(ほねしょうがつ)」です。
これは単に「魚の骨を食べる日」というだけでなく、昔の日本人の「もったいない」精神と、正月を司る神様への深い信仰が詰まった、非常に面白い風習なのです。
1. 骨正月は「二十日正月」の別名だった!
骨正月が行われるのは、主に1月20日。この日は「二十日正月(はつかしょうがつ)」とも呼ばれ、正月飾りを片付け、お正月にお迎えしていた年神様(としがみさま)がそれぞれの居場所にお帰りになる日と考えられていました。
つまり、二十日正月は、お正月気分にピリオドを打ち、通常の生活に戻るための大切な「祝い納め」の日だったのです。
この二十日正月に、正月料理に使われた魚(特にブリやサケ、地域によっては鯛)の骨や頭を煮て食べる風習が広がり、それがそのまま「骨正月」という名前になったというわけです。
2. 「骨まで残さない」神様への誓いと究極のエコ
なぜ骨を食べる必要があったのでしょうか?
正月は、年神様がもたらしてくれた福や恵みをいただく大切な期間です。その恵みである魚を、刺身や焼き物で食べた後、残ったアラ(骨や頭)まで「余すところなく食べ尽くす」ことで、年神様への感謝を示し、福を逃さないという強い願いが込められていました。
特に、出世魚であるブリを正月魚とする地域(関西地方など)では、ブリを骨まで使い切ることは、一年の豊漁や健康を願う行為でもありました。
骨までしゃぶって食べ尽くす姿は、現代の目から見ると驚きかもしれませんが、これは食材を無駄にしない、究極の「もったいない」精神の発露。当時の人々の生活の知恵が詰まった、非常に合理的な行為でもあったのです。
3. 地域によって様々!魚の骨、大根、そしてまさかの…
骨正月で食べられる料理は、地域によって様々です。
一般的な食べ方: 魚の骨や頭を大根や野菜と一緒に煮込む煮物や、粕汁にして出汁ごといただく、というスタイルが多かったようです。
「頭正月」: 魚を食べて最後に残るのが頭であることから、骨正月を「頭正月(かしらしょうがつ)」と呼ぶ地域もありました。
ユニークな食べ方(屋久島): 鹿児島県の屋久島では、魚の骨を叩いて、その身をせせって食べる風習があったとか。普段はこんな食べ方をすると叱られるものの、この日ばかりは許される、というエピソードが残っています。
骨正月は、単なる行事としてだけでなく、かつての日本人が持っていた、「命の恵みはすべていただく」という、清々しいほどの誠実さと、生活の知恵が詰まった、興味深い風習なのです。
現代では薄れてしまった風習ですが、次に魚を食べる際は、その骨や頭を捨てる前に、昔の人々の「骨正月」の精神に少しだけ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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