なぜ、うちの猫は餌を残すのか――。飼い主の素朴な疑問に、岩手大の研究グループが一つの答えを出した。猫の食欲に深く関わっていたのは、餌のにおいだった。
農学部の宮崎雅雄教授の研究グループが8日、記者会見して発表した。研究グループによると、犬は一度に多くの餌を食べる傾向があるのに対し、猫は1日に複数回少量ずつを食べ、空腹でも食べるのをやめることが知られている。「小食だから」「気まぐれだから」と言われていたが、理由はよく分かっていなかった。
研究グループは、研究用に飼育している雑種の猫12匹(3~15歳のオスとメス)に10分間ずつの休憩を挟みながら、市販のキャットフードを計6回与える実験を実施。6回とも同一の餌を与えたり、途中で別のキャットフードに変えたりと、さまざまなパターンを試した。
すると、食べる量は回を重ねるごとに減ったが、異なる餌を与えると食べる総量が増えた。さらに同一の餌であっても、においだけ別のキャットフードを嗅がせると、食欲が戻った。
休憩中の猫に、食べている餌と同じにおいを嗅がせ続けると、食べる量は低下した。休憩中に嗅ぐにおいを食べる餌とは別の餌にすると、食べる量は保たれた。
こうした実験結果から、猫が餌を食べない理由は満腹ということだけでなく、においが深く関わっていることが科学的に証明されたとしている。
研究成果を説明する岩手大の宮崎雅雄教授=盛岡市の岩手大で2026年4月8日午後1時10分、山田英之撮影
宮崎教授は「猫は同じ餌を食べることで生じる感覚的な飽き(順応)と、新しい刺激による食欲の回復(脱順応)を繰り返しながら、食事をしていると考えられる」と説明。病気や高齢で食欲が低下した猫への餌の与え方や、食べ飽きないペットフードの開発への応用が期待されるという。【山田英之】
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