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デジタル庁GCASガイド

2. FinOps実践の全体像

2026/02/12 公開

2.1 FinOpsの実践ステップ

ガバメントクラウドにおけるFinOpsの取り組みは以下の4つのステップに沿って実践することを想定する。
国の行政機関の職員はガバメントクラウド利用にあたって契約する運用・保守事業者等に働きかけ、各コストの最適化に取り組む。
地方公共団体の職員は主にガバメントクラウド運用管理補助者及びASPと連携してコスト最適化に取り組む。

STEP 1調達仕様書・契約への反映 FinOpsに取り組むために必要な要件を運用保守事業者の調達仕様書や契約内容に盛り込む。
また、年度ごとに契約内容・契約金額を見直し、FinOpsの成果をコストの削減に反映する。
STEP 2コスト構造の把握 最適化対象となるコストを可視化し、何にどれだけのコストがかかっているのかを把握する。
STEP 3コスト最適化計画の検討 特定したコスト構造の問題点や最適化余地を分析し、コスト最適化計画を立てる。
STEP 4コスト最適化計画の実行 検討したコスト最適化計画に基づき、各種アプローチを実行する。 アプローチ実施後はその効果を可視化・計測し、継続的なコスト最適化へつなげていく。

2.2 FinOpsを実践する上でのポイント

FinOps実践の前提となるポイントを以下に記載する。

■ クラウド利用料は本番稼働がコスト最適化のスタート地点

オンプレミスをはじめとする従来のシステム利用形態においては、ハードウェアを中心とした基盤に掛かるコストは契約時に複数年度分の金額で決定されていた。
一方、クラウドは実際に利用したサービスとその利用量に対して料金を支払う従量課金制である。
契約金額ではなく実際の利用状況に基づくコストを把握・管理し、リソース量を最適化することで契約期間中にも速やかにコストを最適化することが可能である。

  • クラウド上での稼働実績がない時点では移行後のリソースの過不足を事前に把握できないため、稼働時点のシステムは余剰リソースや過剰なスペックを含む可能性が高く、その分、運用開始後にコスト最適化の余地があるといえる。
  • クラウドではリソースの柔軟な変更が可能であり、利用状況に基づいたシステム見直しにより利用開始後もクラウド利用料を下げることが可能である。

■ コスト把握・最適化計画の主体は職員

従来のシステム利用では契約期間中固定されていたコストを最適化するためには、職員がFinOpsの主体となって事業者を含む関係者に働きかける必要がある。
コストを把握するためのツール利用や、運用保守契約での取り決めを通じて、職員がコストを管理できる仕組みを整えることができる。

  • 職員がコスト管理・最適化の意識を持ち、事業者をはじめとする関係者に働きかけてFinOpsを推進する。
  • 事業者は、職員の求めに応じて改善策の提案やシステム変更に取り組む。
  • 共同利用方式を採用する地方公共団体では、ガバメントクラウド運用管理補助者との協業が必要になるため、運用保守業務の仕様書に要件を盛り込む。

■ FinOpsの成果を調達仕様書・契約に反映する

FinOpsによるコスト最適化の成果は、運用保守業務の調達仕様書や契約内容に反映する必要がある。
最適化されたシステム構成や運用保守作業を前提とした調達を行うことで、FinOpsの成果を支出の削減につなげることができる。

  • 事業者と複数年度にわたる運用保守契約を締結する場合であっても、年度ごとに契約内容や金額の見直しを行うことを前提として調達を行う。
  • FinOpsを通じて支出が削減された結果として当該年度の予算に余剰が生じることも考えられるが、コストが最適化された結果として捉え、行政サービスの向上に資する取り組みへ充当していく。