トランプ大統領の「日本は助けてくれない」と、狂人による「ひとつの文明全体が死に絶えようとしている」は断じて許せない
トランプ大統領は6日の記者会見で日本は助けてくれなかったと日本のイラン戦争への対応を批判した。日本については、「北朝鮮から守るために5万人の兵士を駐留させている」と強調し、米国に協力すべきだとも述べたが、米軍は日本を北朝鮮から守るというよりも米国の世界戦略のために日本に基地を置いているというのが正しい理解だ。今度のイラン攻撃でも佐世保を拠点とする強襲揚陸艦「トリポリ」が出動した。言うまでもなく、米国本土よりもはるかに早く中東に到達できる。他方、高市首相とすれば、米軍の日本でのプレゼンスは北朝鮮よりも中国の脅威に備えるというものだろうが、トランプ大統領には中国を警戒する様子が見えない。
日本がイランをめぐる戦争で米国を助けない理由をトランプ大統領はまったく理解していない。自衛隊の派遣は憲法など日本の国内法に抵触するし、また国際法に違反する米国・イスラエルに協力すれば、日本の国際的イメージが著しく低下する。ヨーロッパの米国の同盟国も軒並み米軍の中東への展開に領空、国内基地を使用させない方針をとっている。イタリアのメローニ首相は米国に協力しない一方で、エネルギー安全保障を高めるために中東諸国を訪問し、必死の協議を行った。高市首相もこのぐらい迅速にバイタリティーをもって危機に対応できないだろうか。
トランプ大統領は、イランの発電所や橋梁など民間施設への攻撃が戦争犯罪に該当することを懸念するかと記者会見で問われると、まったく懸念していないと答えた。驚くべき感覚だが、イラン南部のブシェールの原発が破壊されれば、放射性物質は放射能が地域全体に拡散して1986年のチェルノブイリ原発事故のように、広範囲に放射性物質を放出し、深刻な核汚染をもたらす。チェルノブイリの事故の際には小児甲状腺がんが多発した。イスラエルは、1981年にイラクのオシラク原子炉を爆撃して破壊したことがあるが、その時、オシラク原子炉はまだ建設途中で、核関連物質が施設内にはなかった。
ランディー・ジョージ米陸軍参謀総長は4日に辞任を発表したおよそ1時間後に「狂人が偉大な米軍を破滅に導くだろう」と述べた。米軍内にはトランプ大統領のイランへの地上侵攻に対する反発が強くある。イランに地上侵攻すれば、米軍はイランの革命防衛隊、民兵組織バシジなどの人海戦術にとうていかなわないだろう。
トランプ大統領は、イランの発電所への攻撃期限が日本時間8日午前9時に迫る中で、「ひとつの文明全体が死に絶えようとしている。二度とたて直せないほどに。私はそうなってほしくないが、おそらくそうなるだろう」などと述べた。核兵器の発射ボタンをもつ大統領の発言としては無責任で、健全な精神をもっているとはまったく言い難い。
イスラエルの数日前のテレビ番組で、ジャーナリストのシモン・リクリンは、極右のイタマル・ベングビール国家治安相に向かって「イスラエルがイランで原子爆弾を使用する時が来たのではないか」と発言すると、ベングビール国家治安相は「彼に話を続けさせましょう」とその発言にうなずいて見せた。長崎大学核兵器廃絶研究センターによれば、2017年4月現在でイスラエルが保有する核弾頭数は90と推定されている。イスラエルが保有する核兵器がイランやトルコ、アラブ諸国など地域にとって重大な脅威となっていることは言うまでもないが、欧米諸国にはイスラエルの核兵器を問題視する動きがない。
米国の作家で、ジャーナリストのジャーナリストで作家のクリス・ヘッジズは、「我々はイスラエルに民族浄化、占領、抑圧の無制限の自由を与えてしまった」と警告したが、その自由の中に核兵器の保有も入ることは言うまでもない。イスラエル批判をすれば、反ユダヤ主義という言葉が返ってくるヨーロッパや北米でも若い世代がガザや中東諸国におけるイスラエルの非人道的な行為を目の当たりにしてきた。イスラエルに対する「二重基準」に世界の若い世代が沈黙しないことを期待したい。
世界は国際司法裁判所(ICJ)、国際刑事裁判所(ICC)、国連総会の組み合わせによってイスラエルと米国による不条理を是正する可能性があると思う。国際司法裁判所(ICJ)は24年7月、イスラエルの占領が国際法に違反しているという勧告的意見を出し、イスラエルがヨルダン川西岸とエルサレムで続ける入植活動を停止する義務があるとも勧告した。また24年11月、国際刑事裁判所(ICC)はイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に逮捕状を発行した。国連総会は、イスラエルがこれらの判決や決議のいずれにも従わないことに対し、緊急特別総会を開催して、イスラエルが違法な占領を終わらせ、国際法と国連決議に従うようになるまで、国連が主導する武器禁輸、貿易ボイコット、その他の措置を決議などで組織することができる。国際社会が一丸となって「狂人」のような「トランプ」や「ネタニヤフ」に抗うことができなければ、世界の文明が滅んでしまうことを危惧せざるを得ない状況に陥っているように思う。
※表紙の画像:トランプ大統領も老いて元気がなくなった印象だ
https://ca.news.yahoo.com/white-house-responds-social-media-005503098.html


先生、最新の情報も述べてください。トランプは国際刑事裁判所 (ICC) の職員や関係者に対して2025年2月に大統領令に署名して、制裁を開始、アメリカ国内の資産凍結や入国禁止を既に行っています。ICC本体には制裁を課してません。赤根智子ICC所長が文藝春秋・2026年の論点100で、法による支配、日本へ…