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Conversation

そういえば傷ついたんだった。 私の最後の裁判は令和6年9月にあったんだよ。名古屋裁判所。腰縄をぐるぐるに巻かれて、手錠をカチッカチッかけられて(この日はゆるめにしてくれた)法廷の中に入った。やっぱり一番最初に目に入るのは傍聴席。知らない人間たちで席が埋め尽くされてるのを見て、素直に怖いと思う。私は何が面白くてみんな裁判を見に来るのか、よく分からなかった。私が被告人の席から傍聴席に視線を送っても、みんなは全然目を合わしてくれない。でも、そういえば私の裁判に毎回現れるおじさん。この人はがっつり目がいつも合う。半分ニヤケながらひっそりピースしてくる。変態だ。他のみんなは、ただ、犯罪者として、私が裁かれる瞬間が見たいだけなのかなと思ったら、急に裁判所中がさみしい気がした。ずっとこのまま1人ぼっちな気がして、せっかくかわいい犬の服を着てきたのに、死にたいって思った。 私は証言台に立たされて「懲役が9年から8年6ヶ月に下がったこと」を裁判官から言い渡された。私は裁判官を見て、この人誰なんだろう。と思った。どうして今まで私の人生に関わってきてもなくて、助けてくれもなかった人に、一方的に罰を下されなきゃいけないんだろうと思った。だけど、でも、全部私が悪いんだから、受け入れなきゃいけないんだから、いつか、きっと、幸せになれる日がきますように。 裁判が終わってから数日経って、親から「やっと終わったと思った。この日は泣かなかった」という日記みたいな手紙が届いた。支援者(だった人)から「みんなで打ち上げをしたよ」という手紙が届いた。私の中ではまだ何も始まってなかったし、何も終わってもなくて、ずっと私の人生のどこからがいけなかったのか、考えてる途中だったから、外の人と私は感覚が合ってないと思った。外が見えない独居房が息苦しくていつも嫌だったのに、今日は外も、空も、なにもかも、見えなくて良かったと思って、自分が閉じていって見えなくなってく気がした。 弁護士が面会にきた。いつも、自分語りをくり広げてくる弁護士に、相づちとか、機嫌が良くなるようなリアクションをとる自分に、嫌気がさしていた。ボーッと話を聞きながら「懲役8年、長い」って呟いてみたら、弁護士の癪に触ったみたいだった。明らかにイラ立った声で「懲役9年から8年まで下がったんだ。男が被告だったらこんなに下がらなかったよ。君が女だから、まんこ割りだよ“まんこ割り”」と言いながら一人で爆笑し始めた。私は、よく分からなかった。私は、自分がまんこ扱いを受けてるってこと。なのかと思った。私はイヤだと思った。私はこの人と関わりたくないと思った。私は色んなことがよく分からないと思った。私はお金が無くて国から弁護士を雇ってもらってるから、こんな扱いを受けるのは底辺として妥当なのかとも思った。正しい意見をついったーのみんなに聞きたいと思って、獄中日記にこのことを書いて、元支援者に送った。だけど返ってきた返答は「その部分は黒ぬりで伏せて投稿しました」だった。なんでかわからなかった。なんでかわからなかった。なんでかわからなかった。もう1人にしないで