「にじさんじ」のANYCOLOR、売上の7割以上を物販が占め配信収入は1割未満に、今後の経営戦略は?
VTuberマネジメント事務所「にじさんじ」を運営するANYCOLORが、3月11日に通期純利益の下方修正を発表しました。従来予想比で、4~5%程度下がる見込み。見通しを引き下げた主要因は在庫の評価損です。 【調査結果】推しがいる人の割合、10代は8割、20代は6割…40代以上も右肩上がり!年代別に推し活に月間使える金額を見てみると… 今回の決算発表は、ANYCOLORが小売業の性格を強くしたことを示す印象的な内容でした。中期的には在庫管理の強化が必要になりそうです。
VTuberの過去のイベントグッズの販売は珍しくないが…
ANYCOLORは立て続けに通期業績見通しの上方修正を発表することで有名。それが株価の上昇要因になっていました。今年3月に見通しを引き下げたのは異例。昨年12月に上方修正を行っていただけに、経営陣も予期していなかった様子がわかります。 ただし、利益は引き下げたものの、通期売上見通しは3~5%程度引き上げました。従って、売上が落ちているわけではないのです。 ANYCOLORは第3四半期に9.7億円の棚卸評価損、第4四半期に15億円程度の評価損を計上する見込みです。これが利益を圧迫したのです。 棚卸評価損は、在庫の価値が仕入原価よりも下がった場合に差額を損失計上する会計処理。これまでANYCOLORは、今後の販売予定がないと判断した商品の評価損を計上していました。これはVTuberの卒業などにより、販売が難しい商品を指していると考えられます。 今回は数年前に開催したイベントのグッズなど、販売に適さないと判断されたものが中心。ANYCOLORの釣井慎也CFOは、「会計上は販売予定の有無に関係なく、一定の基準で評価損を計上することを検討しています」とコメントしています。棚卸資産の回転日数などを考慮する予定だといいます。 この表現は少しわかりづらいのですが、売れる・売れないに関係なく、今後は会計上の一般的なルールに沿って棚卸資産を評価しようと考えているものだと解釈できます。 「にじさんじ」の古いイベントのグッズが売れないのかと言えば、そうとも言い切れません。オフィシャルサイトには、過去のイベントのグッズが数多く掲載されています。 VTuberは推し活要素が極めて強く、何かのきっかけでファンになると、推し関連のグッズを買い漁ることは珍しくありません。過去のイベントのグッズは希少性も高いため、欲しいと感じる人もいるでしょう。特に「にじさんじ」はVTuberのライト層の開拓を得意としており、その魅力を知らなかった人が突如としてファンになり、推し活を始めるというケースが少なくないのです。 しかし、一般的な会計ルールの導入を検討しているというところに、ANYCOLORという会社のステージが変化していることを読み取ることができます。小売業の性格が強くなっているのです。