「俺は借りを作りたくない」そう言って、実家からの援助を頑なに拒む夫。 しかし家計に余裕があるわけではなく、筆者の知人Aさんはどうしても納得できません。そんな状況を変えたのは、父が放った“本当に強い人とは何か”を示す言葉でした。
親からの申し出に感謝
私の両親は地方に住んでおり、比較的経済的に余裕があります。結婚当初から、何かと援助をしてくれていました。私はそれを当たり前だとは思わず、両親にプレゼントを送るなどして、感謝の気持ちは伝えてきたつもりです。
ある日、父からこんな連絡がありました。
「最近米は高いだろう? うちの田んぼの米をあげるから取りに来なさい」
我が家は育ち盛りの子どもが2人います。食費もかかるので、父の申し出はとてもありがたいものでした。
難色を示す夫、その理由は?
ところが、夫は納得してくれませんでした。
「俺は借りを作りたくない」
そう言って難色を示したのです。これまでも私の両親から祝い金などをもらうたびに、夫は気まずそうな顔をしていました。
夫の家庭は幼い頃に両親が離婚し、義母が女手ひとつで子どもを育ててきたそうです。
「育ててもらったのだから、次は俺が母さんを支える番だ」
その言葉通り、夫は義母に毎月仕送りをしています。ただ、我が家も決して余裕があるわけではありません。
それなのに、なぜ父から助けてもらえる私たちが遠慮しなければならないのか。私はどうしても納得できませんでした。
父が語った“本当に強い人”
実家へ行ったとき、私は父に相談しました。すると父は、真面目な顔でこう言いました。
「〇〇くんは立派だ。だが、本当に強い人間は“受け取る器”も持っている。これは援助じゃない。親が子や孫にできることをしているだけだ。意地を張って困るのは家族の暮らしだろう」
さらに「気になるなら買ったことにすればいい。家族は支え合うものだ」と付け加えました。私は父の言葉に、深く頷きました。
帰宅後、その話を夫に伝えると、夫はしばらく考え込み、こう言いました。
「わかった。借りじゃないなら、ちゃんと買おう。家族が楽になるなら、そのほうがいい」
結局、我が家は父からお米を相場より少し安く購入することに。浮いた食費の一部を子どもの教育費に回すことができ、家計は少し楽になりました。
受け取ることは負けではない。それは、家族を守るための大切な選択だったのだと、今ははっきり言えます。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。