AXEL SPRINGER VERLAG:車椅子篇
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世界の建築家
これは1人の男性の物語である。
ゴロゴロというタイヤを転がす音と共に、車椅子に乗った1人の男性が登場する。
街行く人は二足歩行で歩いているが、彼だけは険しい顔をして車椅子を押している。
彼はひたすら移動を続けており、まるで目的地がないように見える。
駅やオフィスのような場所、明るいところ、暗いところ、トイレで鏡を見て、やがて廊下で床の溝にタイヤが引っ掛かってしまう。
彼は身体のどこかが不自由だから車椅子を使っていて、車椅子が動かなくなった今どうなるんだろう…!?とヒヤヒヤするが、ここで男の正体が明かされる。
『Uwe Grahl, architect』
ウーヴェ・グラール、建築家
この文字と共に、男が車椅子から立ち上がって書き物をしている。
どうやらこの男は身体が不自由だから車椅子を使っているのではなく、実際に車椅子を使い問題点を見つけようとしていたのだ。
“architect”は直訳すると「建築家」という意味になるが、この男の行動からは「世界を創る人」とも受け取ることができる。
彼はこの世界がより良い世界になるために、問題点を発見し解決へ導く“世界の建築家”であると考えた。
『DIE WELT』
ディ・ウィルト
ドイツの一般的な日刊新聞の名前である。
新聞は多くの人に日々の出来事を伝える紙のメディアである。
記事を読んだ人々は、ニュースひとつひとつについて自分なりの感想や考えを持つだろう。
『The world belongs to those who thinking new ways.』
世界は新しい方法を考える人のものである。
このメッセージから、映像に登場した男も新聞を読む人も“新しい方法”を考える人だと考察できる。
コンセプトはメッセージ通り
『世界は新しい方法を考える人のものである。』 -
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★車椅子から立ち上がる未来:『DIE WELT』が描く革新的思考の力
導入部分では、近代的でありながらモノトーンに近い冷たい印象のオフィス空間が舞台となり、主人公たる建築家が、スーツ姿の健常者という「標準」の群衆の中を移動する様子が描かれている。この群衆との対比は、現代社会における「既存のシステム」を象徴しており、彼の孤独感と直面する身体的な困難を深く際立たせる効果を生み出している。特に、エレベーターや廊下の段差といった「バリア」を乗り越えようとする場面では、暗い照明と緊迫感のある音楽が採用され、困難そのものの重さや暗さが視覚的、聴覚的に強調される。この表現戦略の採用は、視聴者の感情的な共感を深く誘い、彼が乗り越えようとする試練をリアルに感じさせることを最大の目的としている。
そしてクライマックスでは、車椅子から自力で立ち上がり、義足に体重をかけて真っ直ぐに立ち、メモ帳に何かを書き込むという解放的な劇的転換が起こる。この瞬間に周囲には明るい光が差し込み、音楽も希望を感じさせるものへと一変する。この一連の流れは、単なる身体的な克服を超越した、「新しい一歩」と「困難の克服」という力強いメッセージを強烈に象徴している。
最終的に提示されるキャッチフレーズ、「THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYS.」(世界は新しい方法で考える人々のものだ。)は、広告全体で描かれた彼の自立的な行動を革新的な思考というコアコンセプトに集約している。これは、新聞社が読者に提供する価値、すなわち既存の枠組みに囚われない視点と批判的な思考の重要性を哲学的に訴えかけるものとなっている。
したがって、この広告の真のコンセプトは、身体的な制約を持つ人物が、自立的な行動と「新しい考え方」によって既存の環境というバリアを打ち破り、自身の世界を切り開く姿を描くことで、新聞社『DIE WELT』が体現する「革新的な視点の力」を力強く示すことに他ならない。 -
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★思考の転換を
コンセプトは「誰もが平等に」
自社の宣伝のための広告というより社会主義、共産主義の考え方を広げていくためにこの表現を採用。
Weltはドイツ語で世界という意味から新聞社の名前もそれを表している。
みんな立って歩いている中、車椅子の男性がいることからそこに視点がいくだろう。
お手洗いや車輪が挟まったシーンだけでなく、その時点で他の人たちと平等に見れているのか?と疑問になるが、、
Wikipediaで調べたところ、1946年にハンブルクでイギリス占領軍により創刊され、政治的には中道右派の立場をとっているが、
🌟新聞社自身は「リベラル・世界市民的」としているとのことだ。
伝統的な意味では右派というのは「保守・復古主義勢力」で
左派が「社会主義、共産主義」を表すようだ。
つまり、ここでは左派=リベラル・世界市民的の在り方が描かれており、architect=建築から転じて「つくりだす」
→THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYSを
【(世界は)新しい道(やり方)を考える人たち(に属する)を】
新しい道というのは、上記にある左派、リベラル・世界市民的な考え方に基づいたものということだ。締めの新聞社の名前が世界を意味することからも、当時の世界の考え方をそういった風に転換していきたいと言っている様でもある。 -
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ジャーナリストの使命
記者は足を使って現地を巡ることで情報を集めて記事にしているというイメージですが、この広告では車いすを用い、足の使用が制限されているように見えます。あれば有利に事を進められるはずの足をわざわざ制限することで、どんな厳しい条件下だろうと構わず取材に赴くという気概を表現しているのです。
それだけでなく、立つのと座るのとでは見える視点が違うということも同時に取り込み、多角的な視点で調査し、記事を書いているということも表現しています。実際に、広告の最後の方で車いすが引っかかって転びそうになるシーンがありますが、おそらくこれはただ歩いていれば引っかかることに気づかない、もしくは気にも留めなかったことのはずです。これに気づいたシーンを作ることで記者である彼は多角的な視点で物事を見ることができていると伝わります。
また、多角的な視点で見ていることを表現するのは車いすだけではありません。画面の構成もこれを表しています。
というのも、男性を追ってカメラが動くその間、男性を画面の真ん中に来るように映している時間は短く、男性が右か左のどちらかに寄るように映されている時間が長いのです。大抵、集中して見たいものは画面や視野の真ん中に捉えることが多いですが、これを一般的なこととしたとき、そこから外れたどちらかに寄るというのは一般的なものの見方ではなく別の視点から見ていることになります。つまり、多角的な視点で見ているということに繋がるわけです。
これまで取り上げてきた多角的な視点で見るということは、公平さの元ともなります。メディアを購読する側にとっては偏った視点からの記事を読むよりも、中立的な立場で事実を書かれた記事を読みたい人の方が多いでしょう。
一番最初の記者の気概も話も合わせ、公平的な記事を書いていることを表現することで読者の需要にぴったりの新聞であることをアピールするために、車いすと独特の画角を利用しているのです。
コンセプトは「信頼できる新聞」です。 -
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視点を通じて答えに辿り着く旅
コンセプトは視点の体験が作る世界。
どのカットも、カメラは車椅子の男性を追いかけるように動く。周りより視線の低い彼を追いかけるために歩いている人々は見切れていることもあるというところから、このカメラワークは彼の視点を示していることが分かる。
最終的に彼の乗っている車椅子のタイヤが、床のグレーチングの溝にはまり、乗っている本人の力では動けなくなってしまう。彼は車椅子から立ち上がり、その場で手帳にメモをとる。ここで、視聴者は彼が本当は立つことが出来ると知る。
つまり、彼は自分の足で立つことができるのにも関わらず車椅子に乗ってエレベータに乗ったり、建物の中を動き回ったり、車椅子に乗った視点から鏡で自分を見つめたりしていたということである。その理由は、彼が建築家であるからということがすぐに文字で理解できる。建築家の彼は、車椅子に乗る人たちの視点を体験し、実際にグレーチングという危険を発見したのである。
この一連の流れがなにを表現しているのか。それは、まさにこの広告のテーマである「世界は新しい考え方を持つ人のものである」ということである。この広告で表現されているバリアフリー的な視点は、歴史的に新しいものであり、現代では建築に限らず様々なものがバリアフリーという価値観をもとに構築されている。この広告では、その事実を強調し、新しい考えを認め取り入れていくことができるからこそ世界は進んでいくのだ、というメッセージを私たちに伝えている。 -
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苦労した分、得たものがある
★車椅子に乗っていることで周りよりも苦労することがあるだろう。車椅子に乗った人の目線になることで、その苦労が改めて分かる。それを記者に当てはめるとしたら、車椅子に乗った人ではないかと考えた。
最後、車椅子の車輪が溝に挟まって動けなくなる演出は苦労してでも得たものがあった、というのを伝えるようにした。
「車椅子のCMかな?亅と思わせることで、興味を持たせて最後まで広告を見てくれるようにした。
コンセプトは「苦労、苦戦」 -
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【Mr. カメレオン】
車椅子に乗る男性が様々な建物を巡っていく。一見、障がいを抱える人々に向けた支援などに関する広告に見えるが、最後のシーンで男性が車椅子からいとも簡単に立ち上がることで、そのイメージは一気に崩れる。
最後に出てきた言葉「Uwe Grahl, architect」と「THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYS.」をそれぞれ日本語にすると、「ウーヴェ グラール、建築家」「世界は新しい考え方をする人のものである。」となる。「ウーヴェ グラール」はおそらく男性の名前であり、彼の職業が建築家であることがここで分かった。このことから、車椅子を利用している人々が見ている世界、また車椅子をする人々が施設を利用する際に起こる、環境設備的な問題点を建築家として調査するために、彼はあえて車椅子に乗り、その人々の視点になって世界を見つめ直すという行動をとったということが考えられる。タイヤが金網に引っ掛かり、立ち上がったその直後に手帳に何かをメモしているシーンがあったのも、車椅子を利用する人々にとって危険な部分を把握し、バリアフリーな建物造りのための改善点を模索していたと考えるならば頷ける。普段、自分が見ているものからではなく、あるもの又はある人と同じ目線で観察してみることで、新しい発見やよりよいアイデアを生み出すことができるということを、この広告は伝えたかったのかもしれない。
コンセプトは「共感という、新しい世界の見方。」 -
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たまにはいつもと違った視点で
このCMは、「車椅子」を経験すること、そしてそこから「立ち上がる」ことが重要だ。
車椅子を降りて立ち上がる部分は、「新しい視点」を意味する。
THE WORLD BELONGS
TO THOSE WHO THINKIN
NEW WAYS
「世界は新しい考え方を持つ人のものである」
とあるように、枠にとらわれずに新たな視点を掴むこと。新しいアイデアを生み出すことの重要性を伝えているのだ。
従ってこのCMのコンセプトは、「世の中を動かす新しいアイデアは、新しい視点から生まれる」 -
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THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYS ~世界は常識を超えて新しい考え方をする人のもの~
男性は車椅子に乗り、廊下やエレベーター、トイレなどを移動している。ここまで見ると、彼は足が不自由なのかと感じてしまう。しかし、途中で段差につまずいた瞬間、彼は立ち上がり、メモに何かを書き出す。この場面から、彼は足が不自由で車椅子を利用していたのではなく、日常を異なる視点で体験し、そこから新たな発想を得るために車椅子を使っていたことが分かる。
CMの最後に表示される「THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYS」は、直訳すると「世界は新しい考え方をする人々のものである」という意味である。この言葉は、従来の価値観や固定観念にとらわれず、独創的な発想をもつことの重要性を示している。つまり、社会や世界を動かすのは、既存の枠を超え、新しい視点から物事を考え行動する人々であるという理念が、このCM全体を通して表現されている。 -
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この世界は新しい考えを持つ者のためにある
車椅子に乗った男性が、人々が行き交う中を進んでいる。大きな車輪を自身の手で動かしながら、周りよりも遅いスピードで。気遣わしげに投げかけられる視線。それも気にせずに、いつもより低い目線で通り抜けていく。道を進み、お手洗い場にも赴き、廊下を歩む。ふと、廊下にある溝に、小さな車輪をひっかけてしまう。それはぴったりとはまり込んでしまい、中々出てこない。それを彼は立ち上がってから手で直し、そして手帳に何かを記した。
そう、この車椅子の男は足が悪くて車椅子に乗っていたのではなく、車椅子に乗っているとどのような景色が見えるのか、その視点を体験していたのだ。では、なぜそのようなことをしたのか。それは彼が建築家であるからだ。建築家としてバリアフリーなデザインにしたいのならば、その不便さを体験すべし。そこからでしか見えない景色がある。そうして、新たな視点を得ることで、彼はまた一歩進める。新しい視点を獲得することにより世界の解像度が上がっていくのである。そして、こちらの広告では、このような新しい視点での物事を共有していると主張しているのだ。
コンセプトは「新しい視点を見つめて」 -
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固定観念にとらわれるな
この広告は、男性が車椅子で生活する様子が映されており、映像も男性目線のような低い視点から撮影されたものになっている。
しかし、タイヤが網目に引っかかってしまった時、男性はスッと立ち上がり、なにやらメモをとっている。この様子から、男性は車椅子ユーザーではなく、車椅子を開発する側の人間であると考えられる。より良いものを開発するにあたって、日常的に車椅子を利用していない第三者からの目線ではなく、当事者の目線から考えようと実際に車椅子に乗り、感じた利点や改善点をメモしているのである。
このように、男性が自身の固定観念の外に出て、実際に車椅子を使用しアイデアを出しているような、常識にとらわれない新しい視点を提供する新聞であることを表現している。
"新しい視点を提供する新聞"をアピールするにあたって実に説得力のある広告となっている。
コンセプト 新しい視点 -
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📰新しい発想の源📰
1番最後に出てくる文章を翻訳すると以下のようになる。
THE WORLD BELONGS TO THOSE WHO THINK IN NEW WAYS.
➡︎世界は新しい考え方を持つ人のものである。
まずCMの主人公である男性は車椅子を乗って移動している。しかし車椅子が隙間にハマって動けなくなると立ち上がってノートに書き始めたところで映像は終わる。
ここからわかることは立っている人と比べて車椅子に座っている人は目線が低いことである(当然座っているため)
逆に立っている人たちはスーツを来ている人達が多い。当然目線も車椅子の男性と比べれば高い。
目線が高いという言葉には以下のような意味がある。
目線が高い: 物事を客観的、俯瞰的、多角的に捉えられること。
このようなことから立っている人は物事を捉えられるアイデアマンであることがわかる。
つまり映像で車椅子が動かなくなってしまった時に男性が立ち上がってメモをしたのはアイデアが思いついたからなのだ。
よってこのCMは自社の📰新聞📰は物事を客観的、俯瞰的、多角的に捉えられるものであることをアピールしているのである。
コンセプトは『アイデア』