シェルターに地下施設活用 政府が初の基本方針 全市区町村で人口カバー率100%目標
政府は31日の閣議で、ミサイル攻撃などを受けた際に国民を保護する「緊急一時避難施設」(シェルター)の確保に向けた初の基本方針を決定した。地上に比べて安全性が高い地下街や地下駐車場のさらなる活用促進が柱。シェルターの人口当たりのカバー率を令和12年までに全市区町村で100%とする目標も掲げた。 木原稔官房長官は同日の記者会見で「より高い水準で国全体のレジリエンス(回復力)を向上させ、国民保護体制の強化と実効性の向上を図る」と述べた。北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射し、中国も軍拡を進める中、有事にミサイル攻撃を受けた際の被害を軽減する狙いがある。 緊急一時避難施設は昨年4月時点で約6万1000カ所が指定されているが、うち地下施設は約4000カ所にとどまる。また、学校や官公庁の庁舎といった公共施設が9割を占めており、地下街や駐車場など民間の地下施設を確保できるかが課題となる。 あわせて人口カバー率の基準を従来の夜間人口から昼間人口に改めることを目指す。都市部は学生や会社員が日中に集まるため、昼間に有事が発生してもシェルターに収容できる態勢を整えたい考えだ。自然災害発生時には帰宅困難者向けの一時滞在施設として利用するなど、幅広い事態への対応も進める。 機能の充実にも取り組み、水や食料、簡易ベッドを備蓄して数日間の滞在を可能とする。さらなるシェルター整備を見据え、イスラエルなどの海外事例を参考に、核攻撃にも耐えられるシェルターの調査、研究を実施するとした。