阪神・早川太貴「意識して伸びたわけではない」 球界トップクラスの数値を誇る〝エクステンション〟 中継ぎとして初の開幕1軍入りで奮闘
【球界ここだけの話】自然体で腕を振る先に一級品の武器は宿っていた。阪神・早川太貴投手(26)は2年目の今季、本職の先発ではなく、ブルペン陣の一員として初の開幕1軍入りをつかみ取った。慣れない役割ながら奮闘する右腕の投球データの中で、ひときわ目を見張るのが〝エクステンション〟という項目だ。 【写真】阪神D1・立石があこがれる阪神の選手は 「僕としては別に何か意識して、そこの数値が伸びたわけでもない。でもバッターから見たら、ちょっとでも前でリリースされることで、奥行きを感じて打ちづらいのかなと思ったりもします」 エクステンションとは、ピッチャープレートからボールのリリースポイントまでの距離のこと。数値が高いほど打者の近くでボールを放すことになり、球速表示以上の体感速度を打者に感じさせることができるといわれている。NPB公式アプリ「NPB+(プラス)」によると、5日時点での早川の平均値は「2・29」。これは巨人・大勢(2・35)、同僚の才木、岩崎(ともに2・32)に次ぐリーグ4位の驚異的な数字だ。パ・リーグでは2・20を上回る選手は誰一人いないことを踏まえれば、その希少価値はより際立つ。 なぜ、これほどまでに「前」で投げられるのか―。本人に問うと「それが、分かんないです」と苦笑い。自覚したのは入団前年の2024年5月、くふうハヤテ(当時)の先発として甲子園で阪神2軍を相手に、8回無失点の快投を演じたときだった。初めて球速以外の詳細なデータに触れ、自身の特徴を知り、驚いた。よりデータを駆使しやすい環境に身を置く今も、エクステンションをあえて意識することはない。「そこを伸ばそうとして何かが崩れてもよくない。数値がずれていたらフォームがおかしいのかなと確認する程度」と、あくまで自然体の中で球界トップクラスの数字を生み出していた。 今季ここまで中継ぎとして3試合、3回⅔を投げて無失点と安定感を示している。3月29日の巨人戦(東京D)では三回1死満塁の窮地でマウンドを託され、犠飛こそ許すも最少失点で切り抜ける好救援。四回も危なげなく投げ抜き、プロ初ホールドをマークした。 「中継ぎはあまり経験がないので難しさはありますが、『やれる』と思ってくれているからこの使われ方になっている。調整は違いますけど、自分のボールを投げられたらいい」