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ドラクエ7|キーファは裏切り者なのか──誰の目線で見るかで変わる物語

ドラクエⅦで、キーファを嫌いになった人は多いと思う。

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僕も最初にプレイしたとき、正直こう思った。

「なんでやねん」

親友で、王子で、ずっと一緒に旅してきた仲間が、
ある日突然いなくなる。
あんだけタネも食わせたのに。

そりゃ「裏切り者」と言われても仕方ない。
でも、今は少しだけ違う見方をしている。







ドラゴンクエストⅦ リイマジンド、みなさんはもうプレイされただろうか?

僕も先日クリアしたところだ。

そしてこのゲームを語るうえで、キーファは避けて通れない。

キーファは、シリーズの中でも特に賛否の分かれるキャラクターだと言われている。
実際、とあるアンケート記事でも「裏切り者だ」とか「タネ泥棒」と否の声がかなり多かった。

親友であり、王子であり、冒険の仲間でもあった彼が、
物語の途中で突然いなくなる。

多くのプレイヤーがそこで「ちょっと待ってよ!」と思うのは、やはり自然だろう。

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ドラクエというシリーズは、基本的に仲間が最後まで一緒に戦う物語である。
だからこそ、途中で離脱して戻ってこないキーファの行動は、強いモヤモヤ感を残す。

プレイヤーの多くがそこに「裏切り」のニュアンスを感じるのも無理はない。
ゲームの構造的にも、彼はかなり異質な存在だ。

ただ、正直に言うと僕はキーファのことをあまり嫌いではない。
むしろ少し好き寄りかもしれない。

理由は単純で、僕はアイラが好きだからだ。
マリベルよりも、ずっとずっと。

私情を挟んで申し訳ないが、
アイラのビジュアルや雰囲気が好きすぎるのだ。
単純にタイプだ。

その先祖だというキーファのことも、
どこか憎みきれないのである。

私情はさておき、僕にとってキーファは「裏切り者」というより、
「なぜ嫌われるのかが気になるキャラクター」だった。

キーファの選択は、本当に裏切りだったのだろうか。

もしかするとそれは、
誰の目線で物語を見るかによって変わるのかもしれない。







ここで一度、今回の話に関わる人物関係とあらすじを簡単に整理しておく。

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あらすじ

ドラゴンクエストVIIは、石板を手がかりに過去へとタイムスリップし、失われた世界を一つずつ取り戻していく物語である。

主人公は親友であり王子でもあるキーファと共に各地を巡りながら冒険を続けるが、過去に飛ばされたある村で、運命を背負う女性ライラと出会う。ライラには村を守るための使命があり、そのそばには同じ一族で許嫁でもあるジャンがいる。

しかしキーファは、王子としての立場や元の世界に戻る道を捨て、ライラと共にその地に残ることを選ぶ。この決断によって彼はパーティーから離脱し、物語から姿を消すことになる。

その後、長い時間を経て、キーファとライラの血を引く子孫としてアイラが登場する。アイラは主人公たちの仲間となり、魔王討伐の旅に加わることで、キーファの選択が未来へとつながっていくことが示される。





1. 主人公目線:親友がいなくなった日

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キーファが嫌われる理由を考えるとき、まず最初に来るのは主人公の目線だと思う。

キーファは、主人公にとって親友であり、冒険の相棒でもある。共に旅をし、共に戦い、同じ未来を見ているはずだった存在だ。

それが、ある日突然いなくなる。

ドラクエというゲームにおいて、仲間は最後まで一緒に戦うものだという前提がある。だからこそ、途中で離脱して戻ってこないキーファの存在は、プレイヤーに強い違和感を残す。

正直なところ、多くの人がここで思うのはシンプルだ。

「なんでやねん!」

そしてその違和感は、やがて「裏切り」という感情に変わっていく。一緒に戦うと思っていた。一緒に世界を救うと思っていた。あんだけタネも食わせたのに。
でもキーファは、その物語から降りてしまう。

このときプレイヤーは、ほぼ無意識に主人公と自分を重ねている。だからキーファの選択は、物語上の出来事ではなく、自分に対する裏切りのように感じてしまうのだ。





2. ジャン目線:奪われるものの嫉妬

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次に見えてくるのが、ジャンの目線だ。

ジャンはライラと同じ一族で、同じ使命を背負い、同じ村で生きてきた人物である。つまり彼にとってライラは、突然現れた存在ではない。単なる許嫁ではなく、ずっと近くにいた愛情の対象だ。


そこに現れたのが、外の世界から来た王子キーファである。行動力もあり、勇気もあり、しかも王子で女性に優しい。


この構図は、現実の感覚に置き換えるとわかりやすい。
クラスで仲良くしていた気になるあの子が、ある日突然、部活の先輩と付き合い始める。あの感じだ。

歯がゆい。誰もがこの感覚を味わったことがあるのではなかろうか。

長い時間を一緒に過ごしてきた関係の中に、突然現れた誰かが入り込み、すべてを持っていく。その感情は、嫉妬と呼ぶしかない。

プレイヤーは主人公でありながら、同時にジャンにもなってしまう。だからキーファは「裏切り者」に見えてしまうのだ。






3. 女性目線: モテる男の流儀

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ただ、キーファの印象は見る立場によって大きく変わる。

とある女性配信者が初見でプレイしている動画を見たとき、彼女はキーファを一貫して「めっちゃかっこいい」と発言していた。最初は少し意外に思った。

でも考えてみると、その評価はかなり筋が通っている。

キーファはライラの意思を尊重する。
彼女が背負っている宿命を否定しない。
いつでも隣にいてくれる。
そして恋敵であるジャンの悪いところを言わない。



恋愛においてこれらはかなり重要なポイントだ。自分を良く見せるためにライバルを悪く言う人物よりも、ずっと印象がいい。

キーファは、自分の覚悟だけを示す。

だから女性目線では、彼は裏切り者ではなく、むしろ自分に寄り添ってくれる優しいイケメンとして映る。

同じ行動でも、立場が変わるだけで意味はまったく違って見える。

モテたい男子はキーファを裏切りものとして見るのではなく、恋愛の師匠として見直すべきだろう。





4. アイラ目線: 人生の岐路に立たされて

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キーファの評価を考えるとき、もう一つの視点がある。
アイラの目線だ。

アイラはキーファの子孫として登場し、主人公たちと共に魔王討伐の旅を続ける仲間である。

彼女は物語の中で、自分に与えられた使命を最後までやり切る。
そしてそのあとに残るのは、何も決まっていない未来だ。


どこへ行ってもいいし、何をしてもいい。
逆に言えば、何者でもなくなった状態でもある。

これは、ゲームの中の話に見えて、現実にもかなり近い。

例えば、何か一つの目標に向かって走り続けてきた人。
受験でも、就活でも、あるいは仕事でもいい。
それをやり切ったあと、あるいは途中で立ち止まったとき、ふとこう思う。

「このあと、自分は何をすればいいんだろう」

いわゆるクォーターライフクライシスとか、燃え尽き症候群とか、あるいは僕みたいにうつ病になって立ち止まった人も、似た場所に立つことがあると思う。

僕自身、どこかで「研究者にならなければならない」と思い込んでいた。
それ以外の道は考えない方がいい、というより、考えてはいけないような感覚すらあった。




でも、キーファを見ていると少しだけ感覚が変わる。

彼は、あらかじめ用意されていたレールから外れた。
しかもそれは「仕方なく」ではなく、自分で選んだ結果として。

その姿を見ていると、思い出す。

別に、決められた道を最後まで進まなくてもいい。
途中で降りてもいいし、違う道に行ってもいい。

そういう当たり前のことを、なぜか忘れていた気がする。

アイラにとってキーファは、遠い先祖でありながら、もう一つの生き方の例でもあるのかもしれない。

レールを走り切ったその先で、初めて自由になったとき、
すでにレールを外れて生きていた人間の存在は、少しだけ心を軽くする。

キーファは裏切り者なのかもしれない。
でも同時に、別の生き方、人生の無限の可能性を思い出させてくれる存在でもあるのかもしれない。






あとがき

最後のオルゴデミーラ戦では、おいしいところ全部キーファに持っていかれた😂
体力管理しながら丁寧に進めていたのに、全形態キーファがトドメを刺しやがった!
くやしい!!

…けど、その空気の読めなさもキーファらしいのかもしれないね。




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