中日・髙橋宏斗が清々しい拍手 初完封の広島・栗林とベンチ前で交わした言葉 試合後、名城大の元後輩に届いた“1通のLINE”
が、実は2人の関係性はいたって良好だ。先ほど記した2023年のWBCでのユニフォームを掲げた一コマが最たる例。 栗林さんがドラゴンズ相手に被安打1、準完全試合という完璧なピッチングで完封勝利を挙げた試合の後も、惜しみない拍手を送る髙橋投手の姿があった。 「相手もすごくいいピッチャーなので、刺激を受けながら投げ負けないぞという気持ちで投げました」 栗林さんもヒーローインタビューで髙橋投手のことを称えた。まだ聞きたいことがある。私はベンチ裏でこの日の主役を待ち構えた。 ■優しいプロ野球選手じゃダメですか? 栗林さんは私を見つけるとガッツポーズをした。各社の囲み取材を終えた後、ガッチリ握手。「来てくれてありがとう!」興奮冷めやらぬ様子、言葉には熱がこもっていた。 「髙橋宏斗投手のボールはどうでしたか?」 この日プロとして初めて打席に立ち、3三振を喫した先輩に聞いた。ちなみに栗林さんは打撃がいい。高校3年生時はピッチャーで4番、名城大学4年の秋季リーグは打率.385の強打者。 そんな栗林さんをもってしても「何のボールを投げているか分かんないくらいすごかった!」と言わしめる髙橋投手の球。 逆に栗林さんが髙橋投手を打ち取ったときは「お互いがベンチに帰る時に『いいボール投げるっすね〜』とか言って来たけど、いやお前がな!って」。 2人にしかわかりあえない清々しい世界が広がっていた。ただこの時、ある人の言葉が私の頭をよぎった。 ■「あいつは優し過ぎるから」恩師が漏らした言葉 名城大学時代、コーチとして栗林さんを育て上げ、プロへと導いた山内壮馬さん。かつてドラゴンズからドラフト1位指名され活躍した山内さんは「あいつは優し過ぎるから、やっていけるか心配」と漏らしていた。 確かに、自分の、そして家族の生活をかけたプロの世界で、優しさは要らないのかもしれない。普段からプロ野球選手を取材していて思うのは、オレ様気質というか、図太かったり、浮世離れしているくらいの人がちょうどいいのかもしれないと感じる事もある。それでも思う、優しいままのプロ野球選手がいてもいいじゃないかと。
初先発初完封をかけた9回のマウンドで、1球ストライクが入るたびに大きな拍手が沸き起こる。試合後にはライバルから称賛される。そんなことを大学時代の後輩が記事にする。これは、栗林さんの人間性無しには実現しないことだと思う。 栗林さんとの話を終えて別れた後、1通のメッセージが届いた。 「会えて嬉しかったよ!」 栗さん、僕仕事で行ってるんですけどね。心の中で突っ込んだ。大学時代からプロになってもずっと変わらない、その優しさは目を細めてしまうほど眩しい。 【CBCテレビスポーツ部 上原大輝】
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