「あの大谷翔平がうちに?」
英会話教室大手ECC社長の花房雅博はにわかに信じられなかった。
大谷側の代理店から初めて接触があったのは2023年だった。
3年間、ECCと組んで子どもたちに短期留学をプレゼントしたい――。
大谷側が費用の一部を継続的に負担するという提案だった。
役員会にはかったが、契約費用がネックとなり、一度は断った。
それでも、大谷側は折れなかった。
その約1週間後に再び代理店の社長が花房を訪ねてきて、頭を下げられた。
「再検討していただけませんでしょうか」
熱意に押された。
もう一度、役員会にはかり、契約が決まった。
ただ、その段階でも、「あの大谷翔平が」という半信半疑はぬぐえなかった。
徐々に信じられるようになったのは、細部を詰めていく上で大谷のこだわりを感じたからだ。
金銭面ではない。
「子どもたちに夢を」
大谷側から、純粋に子どもたちを応援したいという気持ちが反映された三つの要望があった。
「ECCの生徒に限らず、全…