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イランの医療施設で被害相次ぐ WHO懸念「平和こそ最良の薬」

WHOのテドロス事務局長=2022年9月、WHOのホームページより 拡大
WHOのテドロス事務局長=2022年9月、WHOのホームページより

 米国とイスラエルによるイランへの軍事行動が2月末に始まって以降、イランでは複数の医療施設が標的となり、被害が拡大している。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3日、X(ツイッター)で、医療サービスの提供、医療施設内の医療従事者や患者の安全が脅かされているとして懸念を示し、「平和こそが最良の薬だ」と呼びかけた。

 WHOによると、3月以降、イラン国内の医療施設に対して20件以上の攻撃が確認され、医療従事者やイラン赤新月社職員ら少なくとも9人が死亡した。今月2日には100年以上の歴史を持つ首都テヘランの公衆衛生の研究機関「パスツール研究所」も空爆された。南西部フゼスタン州の病院周辺も標的となり、診療停止に追い込まれたという。精神科病院やがんの治療薬などを製造する製薬所も被害を受けた。

 英BBCの取材に応じた女性看護師は、爆撃後に手足のない遺体が運び込まれ、出産を2カ月後に控えた若い妊婦の遺体もあったと証言した。医療物資も不足し始めているとし、「医薬品がなくなれば非常に深刻な問題に直面することになる」と危惧した。

 赤新月社によると、イラン国内では戦闘開始以降1900人以上が死亡し、少なくとも2万人が負傷したとされる。300カ所以上の保健医療施設が被害を受けたと報告しており、「あらゆる地域の住民が既に多大な犠牲を強いられている。人道支援従事者や関連施設、救急車は保護されなければならない」と訴えた。【カイロ古川幸奈】

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