第21回キュアアンサーにピンっと来た!千賀光莉、幕上がる推理と成長の日々
千賀光莉のキュアット解決!
アニメ「名探偵プリキュア!」(ABCテレビ・テレビ朝日系、日曜朝8時30分)のキャストが月に1度、思いを語る連載「キュアット解決!」が始まります。
今月は主人公の明智あんな、そしてキュアアンサーを演じる千賀光莉(ひかり)さんが登場。くしくも作品世界と同じ1999年に生まれた新人声優は、いかにしてキュアアンサー役へとたどりついたのか。たっぷりうかがいました。
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現場で推理 黙っているのは誰?
「たんプリ」の収録現場は、和気あいあいとしています。
スタジオで座る位置もプリキュア側、敵側も関係なくごちゃごちゃに座っていて、みんなでお話をしています。「チームたんプリ」という感じですね。
収録の合間には、みんなで推理をしているんです。
たとえば、怪盗団ファントムにいるニジーは、「怪人二十面相」にちなんだのかなとか、アゲセーヌは「アルセーヌ・ルパン」かなとか。キャラクターの名前に、どんな元ネタがあるのかを考えた日もありました。
先々の物語について、私たちはあまり知らされていなくて、台本をいただくたびに「え、これってこういうこと?!」と、推理が始まります。
キュアアルカナ・シャドウはなぜファントムにいるのか。キュアエクレールのことが全て秘密にされているのはなぜなのか。どこからつついていいのかも分からないぐらい、「名探偵プリキュア!」にはナゾが多いですね。
第1話で、あんなの家にジュエルキュアウォッチがなぜあったのかも、序盤の大きなナゾの一つです。絶対にキーポイントですよね。
推理を繰り広げるのは、妖精ポチタンを演じる加藤英美里さん、そしてウソノワール役の日野聡(さとし)さん、キュアアルカナ・シャドウ役の東山(とうやま)奈央さん、ジェット先輩役の梶(かじ)裕貴さんと、私ですね。
ただキュアアルカナ・シャドウに関する話になると、東山さんは黙ってニッコリうなずいていることが多いかもしれません(笑)。
「なるようになる!」力強い先輩
私が演じるあんなちゃんは、直感で答えを出すタイプ。本渡楓(ほんどかえで)さんが演じる小林みくるちゃんは、考えて答えを出すタイプです。
それが収録においては立場が逆転します。
私は声優としての経験が浅いので、「本当にこのお芝居で合っているかな」だとか、「どう表現したらもっと伝わるだろうか」と現場で悩んで、考え込んでしまうんです。
そんな悩みを相談すると、本渡さんは「とにかくキャラクターの感情を優先してあげて。その感情を思ってお芝居すれば、自然とできるようになるから。後はなるようになる。大丈夫だよ!」と言ってくださいました。
そんな力強さに私はすごく救われています。頼りになる先輩です。
私のキュアアンサーと、本渡さんのキュアミスティックで、タイミングを合わせる決めぜりふもたくさんあります。
いつも、私がせりふの前に深呼吸をして合わせていますが、回数を重ねていくうちにピタッと合っていきました。
今後放送される、あるエピソードの収録で、変身シーンのセリフに初めて1発OKをいただけました。お話の筋書きともリンクしたように思えて、感動しました。放送を楽しみにしていただきたいです。
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コロナ禍がきっかけに
「オペラ歌手になりたい」
それが初めて抱いた夢でした。
通っていた幼稚園が、大学付属の機関だったこともあって、大学でオペラを教える方が園長先生をしていました。
大きなホールで園児みんなでオペラをやる機会があって、それであこがれたんです。
その頃から、声を出すのが大好きでした。歌もいっぱい歌っていましたし、モノマネもしました。小学校と高校では、合唱部に入りました。
なにか声を使って表現をできる道に進みたいという思いは、ずっと持っていました。アニメ好きの父の影響で、声優も選択肢にありました。
福島県から上京して、大学は教育学部の音楽科で、声楽を学びました。ミュージカル俳優か、声優か、教師の3択で迷ってたからです。音楽も学びながら、教員免許も取ろうと。
一時期、ボイストレーニングに通ったり、サークルでダンスをやったりして、ミュージカルにシフトしようとしたことがありました。そのとき、コロナ禍で劇場が軒並み閉まって、ミュージカルの公演が止まってしまいました。
その状況下でも、みんなアニメは見ていたじゃないですか。そんな状況を経験したのが、声優をめざすきっかけになりました。
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「ひかり役」が原点? オーディション裏話
所属事務所の方から、「名探偵プリキュア!」のオーディションを受けてくださいとお声がけいただいたときは、「え、受けていいの?!」と驚きました。
もちろん、プリキュアシリーズには人生のどこかで関わりたいと思っていましたが、こんなに早いタイミングでそんなチャンスがあるとは思っていなかったんです。
プリキュアに関する最初の記憶は、3歳ぐらいでしょうか。「ふたりはプリキュア」(2004~05年放送)が始まるというテレビCMを見て、「女の子が変身して戦うやつが始まるんだ」「想像がつかないけど、面白そうだね」という話を、お母さんやお姉ちゃんとしたのを覚えています。
続編の「ふたりはプリキュア マックスハート」(05~06年)に出てきたのが、シャイニールミナスに変身する、九条ひかりちゃん。幼稚園でごっこ遊びをするときは、「光莉はひかり役やる!」と言って、シャイニールミナスになっていました。
そんな憧れの作品です。もちろん受かりたい。でも有名な方もきっとたくさん受けている。受けられるだけでも幸せだ。そう思うことにしました。
オーディションの日、本番のブースでは、スンッとした気持ちでした。息も上がらず、落ち着いてできました。結果としてそれがよかったのかなと、今は思っています。
テープのオーディションでは、キュアアンサーとキュアエクレール。通過後のスタジオオーディションでは、キュアミスティックも加わって、3役を受けました。
その中でも、やはりキュアアンサーがピンっと来ていました。
最初、文章で設定を見たときには、キュアアンサーのほうがキリッとりりしくて、キュアミスティックの方がきゅるんと可愛い系かと思っていたんです。ですから、キュアアンサーの方が「ちょっとりりしく作らないといけない」という気持ちがありました。
スタジオオーディションで初めてキャラクターの絵を見たとき、顔立ちから受ける印象が事前のイメージと逆だったことに気がつきました。
それなら、あまり気負ってりりしく作る必要もなく、自分のそのままを出すとちょうどいいかもしれないと思って、自然体でできました。
「そっか!」の一言にのぞくおおらかさ
決定してからも実感がわかないまま、とにかくあんなちゃん、キュアアンサーの気持ちでやれることをやろうという気持ちで、様々な収録に臨んでいきました。
プリキュアに携わっているという実感がわき始めたのは、第1話の収録が終わったときでした。
収録までは、「私の準備していたものは、ちゃんとあんなちゃんなんだろうか」という不安がやっぱりありました。
収録が終わって初めて「あんなちゃんに、キュアアンサーになったんだ」という実感と達成感とが、一緒にやってきました。
収録が進んでいくと、あんなちゃんの新たな面も見えてきました。本当に素直でまっすぐなあんなちゃんですが、意外とさっぱりしていて、細かいことは気にしないタイプなのかも、と思っています。
第4話、消えたバッグを追う回で、みくるちゃんがバッグを探す女性の似顔絵を描く場面がありました。
そんなに上手ではない絵を見て、みんなが「えっ」となっているのに対して、あんなちゃんは「特徴捉えてるんだね!」と受け入れている。
探偵道具のプリキットライトで、みくるちゃんが空中にピーナツみたいな形を描いて「トランポリン」と言った場面でも、あんなちゃんは「そっか!」と笑顔で答えました。
みくるちゃんの絵を一切ちゃかすことはなく、そのまま肯定して受け入れてくれる。
その場面では、素直にサムズアップして、そのまま受け入れる「そっか!」を演じました。色々気になるけど仕方なく言うような「そっか」とは違う、他の感情を混ぜないピュアな心を意識しました。
おおらかで包容力があると言いますか、優しくて穏やかな子でもあるのだなと、その場面を通じて思いました。
毎回、新しい台本をもらうたびに、演じる側も新たな景色が見えてきます。
次の展開も、最後の結末も知らない状態です。あんなちゃんと同じ気持ちで物事に対峙(たいじ)していけるのも、プリキュアの収録ならでは、ですね。
私自身もあんなちゃんと同じ進度でナゾを解決していきますし、新たな出会いも同じ新鮮な気持ちで受け取って、まっすぐな気持ちで演じていきたいです。あんなちゃんの成長物語でもあると思うので、私の心も一緒に成長できたらと思っています。