『よぉ、弓兵、お前も霊基再臨してたのか。』
『あぁ、君もしてたのか。む、髪随分と短くしたんだな。』
『まぁな。かっこいいか?』
彼は犬みたいにニカッと笑う。確かにいつも雰囲気が違ってかっこよかった。むしろカッコよすぎて直視できない・・・。
『ふん。毎朝、結ぶ羽目になってた身として手間が省けてよかったよ。』
照れ隠しにいつもの皮肉を言ってみた。
『そっか。まぁ、割とお前に結んで貰うの好きだったけどな・・・』
いつもみたいに突っかかってくると思ったらただ寂しそうにそう呟いた。
『じゃあ、俺クエスト行くからまた後でな!』
『あぁ。美味しいご飯作って待っているよ』
俺はそのまま彼の背中を見送った。今の彼もとても魅力的なのは確かだが、あの長い髪を触れる事が出来ないのは少し寂しさを感じた。
『おっ、弓兵じゃねーか。どうしたしんみりした顔して、ほぉ~随分と可愛いナリになったじゃないか。』
急に話し掛けられてびっくりした。一瞬ランサーかと思った。無理もないクラスが違う同一人物の彼に話し掛けれたのだから。
正直、俺はこのナリは昔の自分みたいで少し恥ずかしいのだ。
『む。からかうなキャスター。』
『わりぃわりぃ。あっちの俺も霊基再臨したんだな。』
『あぁ、随分髪を切ってしまったようだが。』
『んぁ?短髪好みじゃなかったのか?』
『いや、そういうわけじゃないさ。』
『あ~そういやあっちの俺の髪よく結んでたんだっけ?』
『なんでさっ!?』
・・・ランサーめっ。余計の事をペラペラと・・・・。
『あっちの俺が自慢そうに俺らに話しててな~』
他に誰に喋ってるんだ・・・あのバカ犬っ!!?
『なんだったら俺の髪触るか?一応俺なわけだし。』
『む。いいのか。』
『おぅ、いいぜ。』
『ただいま~。ってなんで弓兵の部屋にキャスターの俺がいるんだよ!?』
『別にいても構わないだろう弓兵さんよぉ?』
『あ・・あぁ・・・』
え・・・もしかして修羅場なのかこれ?
『ダメに決まってるだろう!!!この弓兵は俺のだ。出てけ。』
『はいはい。そうキャンキャン吠えなくても出ていくから。じゃあ、あとはお二人さんで楽しんでくれや』
そういうとキャスターはさっさと部屋を出ていった。あっちは落ち着いてるなぁ・・・。
『おぃ』
バンッと壁ドンされた。これはガチキレしてるな・・・。
『お前、何あっちの俺連れ込んでるんだよ。てか、何もされてないか。』
『大丈夫だ。何もされてない。少しばかり髪を触らせて貰ってたんだ。』
『髪?』
『君・・・『そっか。まぁ、割とお前に結んで貰うの好きだったけどな・・・』って言ってただろう。』
『あぁ・・・言ったな』
『・・・だから・・・その・・・』
チュウ
突然、キスされた。
『ラ、ランサー?』
『ちょっと待ってろ』
そう言うとランサー突然部屋を飛び出してしまった。
『ランサー待て。話を・・・』
『うるせぇ。待ってろ。』
『あ・・あぁ』
流石のケルト神話の半神半人の英雄・・・。迫力がある・・・。
・・・遅い。やはり追いかけるべきだっただろうか。しかし待ってろって強く言われてしまったし、やはり待つべきか。
『ただいま』
『ランサー、君何処に・・いっ・・・』
目の前には髪を長くした見慣れた彼の姿があった。
『その・・・霊基再臨したからよ・・・また結んでくれや』
『あぁ、了解した。』