表面的な言葉は丁寧だが何も答えず、だから始末が悪い
ただ、斎藤は今のところ、取材拒否や報道機関との敵対といった激しい形は取っていない。外形的には記者会見に応じながら実質的には何も答えず、質疑を空洞化させる。言葉も表面的には丁寧、つまりは慇懃無礼だ。だから始末が悪い。
支持者から見れば、「斎藤さんは辛抱強く答えているのに記者がしつこい」「同じことばかり聞くから同じことを答えているだけ」と見えるからだ。実際にそういう声をよく見聞きする。
県議会からも「答えない知事」への不満が絶えない。山口晋平議長は会見などで繰り返し苦言を呈し、本人にも伝えているという。2月議会では維新県議団の佐藤良憲幹事長が「知事とは接点が少なく、相互理解が進んでいるとは言い難い」と対話・コミュニケーション不足を指摘した。
それでも斎藤は「迂回」をやめない。そして、支持者だけに向けて独りで語り続ける。言葉は何も残らない。残るのは、彼がおそらく最も見られたい「海辺で穏やかに語る」姿だけだ。
(本文中、初出を除き敬称略)





