ソウルの「光化門」にハングル書きの扁額を加える動き 歴史をまたねじ曲げるのか?

ソウル中心部に位置し観光スポットになっている旧王宮の正門「光化門(クァンファムン)」をめぐって論争が再燃している。以前から「光化門」と書かれた扁額(へんがく)が中国の漢字だから気に食わない、韓国文字のハングルに書き換えるべきだという声があってもめているが、今度は政府の閣僚が漢字扁額の下にハングルの扁額を追加してはどうかと言い出したからだ。

韓国を代表する歴史的建物として復元された門なのに、本来の姿とは異なるハングルの扁額を新たに掲げるというのだ。1つの門に2枚の扁額など歴史的にはありえないものだが、ハングル書きを加えて「ここは韓国なのだ」を強調したいという典型的な〝ハングル愛国主義〟である。

しかしこれは歴史歪曲(わいきょく)だろう。過去の「こうだった」という事実(歴史)を無視、軽視して「こうあるべきだった」という考えから歴史を消したり変えたりしてしまう、韓国流の歴史認識がうかがわれて興味深い。

光化門の背後の旧王宮敷地には以前、日本統治時代に建てられた近代建築のでっかい旧朝鮮総督府ビルがあった。韓国政府庁舎や国立博物館として長く使われたのに、1995年になって官民挙げての「歴史の正しい立て直し」キャンペーンの下で解体され姿を消した。今回のハングル書き扁額も「歴史の立て直し」ということか。(黒田勝弘)

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