現場から

第2回「嫌で当たり前、平気は手抜き」 風俗店が女性に読ませる「心構え」

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 売買春の「買う側」の規制も視野に入れた、売春防止法の改正に向けた検討が法務省で始まった。売防法が禁じるのは「性交」だけ。風営法のもとで、性交以外の「性的サービス」を提供する業態が次々と生み出され、性風俗産業は巨大な市場を形成している。「合法」な性売買の現場では何が起きているのか。風俗店の経営者や、女性を風俗にスカウトしていた男性に聞いた。

この記事は性的な表現を含みます

 神奈川県のある店舗型ファッションヘルスには、働き始める女性に示す文書がある。

 「辛(つら)くて当たり前、嫌で当たり前」「平気という女性は、手抜きをしているのです」

 仕事に対する心構えから具体的なサービス内容、男性客の性格に合わせた接客手法まで細かく記されている。

 経営者の30代の男性は「女性が稼ぐために必要」と、新人の女性にこの文書を声を出して読ませる。

 「お客様の足の裏、指を舐(…

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    梶原阿貴
    (脚本家)
    2026年3月31日11時1分 投稿
    【視点】

    25年ほど前になるが、風俗嬢の役を演じるため、監督と一緒に巣鴨のピンクサロンに取材に行ったことがある。営業中の店内では帽子を深くかぶって客席から観察し、営業後は働いている方々に集まってもらって、居酒屋で話を聞いた。彼女たちは男性客を、「何人」ではなく、「何本」と表し、「口が疲れてるから柔らかいものしか食べられない」と言っていた。何を聞いたのか忘れてしまったのだが、私は多分そこで用意してきた無神経な質問をしたのだと思う。一人の女性が半分笑いながら、「そういうのはいいから、明日一日ここで働いてみなよ」と言った。もちろん働けなかったし、何も言えなかった。

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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2026年3月31日14時12分 投稿
    【視点】

    赤裸々な記事でした。 読んでいて、「辛くて当たり前、嫌で当たり前」「記憶を飛ばしているから分からない」という言葉が胸に刺さりました。表現が適切かどうか迷いますが、これは「労働」と呼べるのだろうか、と。 「買う」側の男性たちは、このような実態を知っているのでしょうか。前の記事に登場した男性は「向こうも仕事だから」と言っていましたが、その「仕事」の中で何が起きているのか——この記事はそれを突きつけています。利用する側の人たちにこそ、読んでいただきたいと思いました。 記事の最後の一文、「好きで風俗をやっている女性は僕の知る範囲では1人もいない」は、11年間・約100人を見てきたスカウトの言葉だけに、重く響きます。 性産業に限らず、「相手側に何が起きているか」を想像することの大切さを、改めて感じました。この記事が、クリックした人の小さな気づきのきっかけになることを願っています。

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