ONAIR: 2007/04/15「声優の醍醐味って何ですか?」
山寺宏一(やまでら こういち)さん

ディズニーのドナルドダックを筆頭に、「シュレック」(ドンキー役)、「美女と野獣」(野獣役)、「それゆけ!アンパンマン」(チーズ、カバ夫役)など数え切れないほどのアニメで活躍する、超売れっ子声優。洋画でもマイケル・J・フォックス、トム・クルーズ、ブラット・ピッド、ジム・キャリーなど、数多くのハリウッドスターの吹き替えを担当している。また、昨年12月に公開された「シャーロットのおくりもの」のDVD「シャーロットのおくりもの スペシャル・コレクターズ・エディション」(ネズミのテンプルトン役)が5月25日に発売される。
DVD「シャーロットのおくりもの スペシャル・コレクターズ・エディション」(パラマウントホーム エンタテインメント ジャパン)  5月25日発売




今週のテーマ「声優の醍醐味って何ですか?」

岡田「声優さんの役作りってどうやってるんですか?」
山寺「吹き替えだと、ビデオを前もってもらうから、本番までにがっつり練習していくので、それがイコール役作りだったりする。ただ声をどうするかに関しては、画面見て(役者の)声を聞いていると自然にそうなるって感じで、無理矢理こうやろうっていうのはそんなに思わないかな」
岡田「僕も去年、ゲド戦記って映画をやったんですけど、凄く難しかったです。抑揚がなかったりとか、デフォルメみたいなものが足りないとかって、よく言われました、映画を観た人とかに。僕が山寺さんに聞きたかったのは、ゲド戦記で凄くナイーブな役だった時に、あんまりデフォルメできなかったんですよ」
山寺「する必要ないと思うけどなぁ。色んなアニメがあるけど、ものによっては求められるものが違うし、ナイーブな役であればほとんど抑揚なしでボソボソっと喋るのがピッタリはまるものもあるし…。ただ、洋画もそうなんだけど、アニメーションの場合は、どうしても、ちょっと起伏を大きく、ちょっと自分の感情のひだを大きくやった方が丁度良く聞こえるというのは、よくあるみたいなんだよね。特に普段思いっきり自分で演じてる人でもマイクの前で固定して芝居すると、自分は思いっきりやってるつもりでも、ちょっと抑え目になってしまう。これは俳優さんによくあるみたいですね」
岡田「難しかったです。声優さんは、本当に凄いと思いましたからね」
山寺「いや、それは多分環境に慣れてないからですよ。岡田君なんて、3本やったら『声優は俺のもんだ』『全部俺にやらせろ』って、絶対言うと思うよ(笑)」
岡田「セリフを言ってる時って何もできない(動けない)じゃないですか、音を立てちゃいけないし。画とシンクロさせなきゃいけない」
山寺「そうですよ。僕ね、ブラッド・ピットの吹き替えをするときにはブラピの顔が俺についてるからね(笑)。ブラピの仕草とかも全部やってるつもりで喋ってますし、トイレも行かないようにするもん、鏡を見ないように(笑)。そういう時って、呼吸も合わせるしね」

岡田「山寺さんが、自分の声に才能があると気付かれたのはいつですか?」
山寺「自分でそんなことは思いませんよ(笑)。ただ『色んな声が出せるな』とは小学校の頃から思ってて、この業界に入った時でも色んな先輩の声を聴いて、こんな声出せるかなって試したりもした。マネで終わったらよくないんだけど、とりあえずマネしてみて、それができたら自分なりにアレンジしてみるとかね」
岡田「まだ声を探してますか?」
山寺「探してるね。やっぱり欧米人は凄いんですよ。『その声はどこから出してんだ』みたいな。例えば、いっこく堂さんだって凄い人ですからね。“パピプペポ”を、口を閉じたまま出せるのは世界にあの人しかいないですよ。あと、僕はディズニーのキャラクターも色々やってるんだけど、向こうの人はドナルド・ダックの場合でも、普通の声ではなくどこか違う器官を使いながら喋る。まだまだ僕は向こうの方には追いつかないですからね」

岡田「今回は『声優の醍醐味って何ですか?』っていうテーマなんですけど、『ここがあるから続けていられる』とか『ここが面白い』とか、そういうのってありますか?」
山寺「よく俳優さんが『自分じゃない人間になれるから』と仰られるじゃないですか。声優の場合はその“自分じゃない”の度合いが半端じゃないと思うんです。だって、僕、今日の朝は犬(アンパンマンのチーズ)をやってきたんですね。もう収録は終わったんですけど、『蒼天の拳』の霞拳志郎っていう、『北斗の拳』のケンシロウの2代前の北斗神拳伝承者の役をやってたんですよ。その時は犬をやった数時間後に、『お前は既に死んでいる』っていうのをやるわけです。これは醍醐味以外の何ものでもないし、ましてや、ブラッド・ピットとかトム・クルーズとか、ハリウッドでオスカーを獲るような方々の一部になれるわけですよ。かつて、アカデミー賞で『シャイン』のジェフリー・ラッシュと、『ザ・エージェント』のトム・クルーズの二人がノミネートされて、どっちが獲るんだ?ってなってたんです。で、ゴールデングローブでは部門別だから二人がナンバー1を獲って、その時に既に両方の吹き替えをやってたんですよ。俺はなんて幸せなんだ、と。俺を二人の間に座らせてくれ、と(笑)。でもこれはね、ホンットに嬉しかった。贅沢な仕事をしてるなぁと思いましたよ」

岡田「今、声優さんになりたい人って多いと思うんですけど、声優を経験した上で辛いこととか、覚悟しておいた方がいいみたいなこととかってありますか?全部楽しいことばっかりではないじゃないですか」
山寺「声でしか表現できないから、コンディションが整ってなかったら仕事できないというか…。いい役を頂いた時に、本番で自分のコンディションが悪いとね、変な話、死にたくなるくらい凄いストレスになるんです。体は元気だし、少々の熱があったって、やる気があれば何とか頑張れるんだけど…、声はね、頑張っても出ない。だから、凄くデリケートな仕事だと思いますね」
岡田「アニメとかだと、子供への影響も大きいですよね?」
山寺「そうですね~。僕らは制作の中の一部の仕事で、我々のところには画も台本も決まったものがくるわけですから、普段からずっと考えてるのかというと、それはやっぱり台本を書く方々の方が強く考えてると思いますけど、やはり我々もその一部を担ってるものとしては考えますよ。でも、良い事ばっかりでも面白くないというか、色んな刺激を与えるべきだと思うし、ちょっとは毒になるものでも作品の中でポリシーがあってちゃんとした志のもとでやっていれば、それも必要だと僕は思う。全てを当たり障りのない表現にしたらつまらないと思うので、それはディレクターとディスカッションしたりはしますね。子供番組もやっているので、それは常に考えるようにしています。だからといって、『これは分かんないだろう』と、あんまり子供扱いせずにね。…あれっ、何か俺、ちょっと偉そうかな?まだまだ勉強しなくちゃいけないんだけど…」
岡田「いやいやいや、大丈夫ですよ(笑)」
山寺「言っとくけど、僕はまだ声優業界では若手だから!(笑)ホントに!洋画の世界いくとね、俺が一番年下とか下から3番目くらいとかってあるんだから!本当にそういう世界なんですよ。もう40年くらいやってる人もいますから…、しつこく(笑)。あっ、しつこくじゃない、本当に頑張ってやってらっしゃる方が沢山いるので、まだまだ、まだまだ頑張りますよ!」

声の職人というか、「未だに声を探してる」っていうのはインパクトがありました。
やっぱり、自分の好きな声というか・・・。たぶん、最初はそこを見つけるじゃないですか、自分のどの声が好きとかね。そこからまた声のバリエーションが広がっていくと思うんですけど…。口の中もそうだけど、「体をこう使えばこの声が出る」とか…、声優って凄いなって思いましたね。

まぁ、自分がゲド戦記をやったときも声優というものに対して尊敬しましたけど、「“はまる”“はまらない”ってこんなにあるんだ」とか。勝手なこと言うと、例えば吹き替えの映画を観て、「あぁ、この声優さん合わないなぁ」とか勝手に言えるじゃないですか。でも・・・、みんな色んな声を探している。

この番組で以前、声の先生が来てくれたとき、僕の声は5段階のうち3点だって言われたけど、自分の声って、僕まだ探してないので、何かを演じる前に、自分の声をまず探してみようかなって思うし・・・。

変な職業ですよね、風邪ひけないとか。僕らは、「風邪ひいたって、やれ」みたいな。もちろん、風邪ひくのは凄く迷惑かけちゃうから良くないことなんですけど、それ以上に気を使いますよね声優さんは。ちょっとした体調の変化で声って変わっちゃうから、もっと繊細だし、よく考えたら凄い職業ですよね、・・・尊敬します。


×  ×  ×  ×  ×


~スタジオを出て~

山寺「あの~、声優の世界っていうのは実際にやっていて凄く楽しいし、日本の文化とも言えると思うんだけど、“エンターテイメントの中で重要な仕事の一つ”だと僕は胸を張って言えるので、色んな方が目指してくださるのは非常に嬉しいことだと思います――― 
・・・『でも、ライバルが増えちゃう』(笑)
いや・・・、『どんと来いだ!臨むところだ!俺と勝負だ!ラジオの前の君!10年後、20年後、僕は50~60歳になっていくけども(笑)、勝負してやろうじゃねぇか!』
――――まだまだ、僕は頑張ります」

1.DOESN’T REALLY MATTER
JANET JACKSON

2.THE HEAT IS ON
GLENN FREY

3.ALL STAR
SMASH MOUTH

4.HOUND DOG
ELVIS PRESLEY

5.ABBIAMO VINTO
NICOLA PIOVANI

6.BEAUTIFUL STRANGER
MADONNA


「今回、山寺宏一さんがゲストということで、びっくりしました。昔から山寺さんの声は好きで、テレビで放映される洋画の吹き替え、アニメなど、子供のころから楽しみにしていました。でも、子供の頃は、外国の俳優さんはみんな日本語が上手いなぁ、だから有名になれるのかな?と思っていました(笑)。それだけ、画像でみる口の動きとセリフまわしのタイミングが合っていたのでしょう(…と考えています、恥ずかしいので)。まるで絵の具を混ぜるように声色を操って、ミキサーいらずですね。すっかり感心しました。アンパンマンのチーズとカバオ君が一緒というのにも驚きで、あらためて山寺さんの偉大さを感じました。最近は、テレビ番組にも出演され活躍の場を広げていらっしゃいますね。これからもお身体に気をつけて、楽しい作品で私たちを楽しませてくださいませ♪」(沙京さん)

「今日のラジオは楽しかったです!ドナルドダックは誕生日が同じということもあり、大好きです!子供の頃から私もいろんな人のモノマネとか、いろんな音とかを真似していましたね。学校の先生とか、猫とか犬とか・・・数知れず。山寺さんは、大好きな声優さんですよ!今日は嬉しかったです。「声は無限」を自分の声で証明している方のような気がします。人には様々な可能性があるんだ!と私に思わせてくれる一人です。自分の可能性を信じて、何にでもチャレンジする精神は見習いたいですね。最後に私が洋画を観るときは「字幕で一回」「吹き替えで一回」「字幕も吹き替えもなしで一回」計三回観ます。ちなみに邦画は「楽しむために一回」「細かく観るために一回」計二回観ます」(ミッキーさん)

「声優さん・・憧れていました。保育の専門学校の授業で人形劇をしたんですが(ずぅ~っと昔です・・苦笑)私は人形の『声』の担当でした。その前から声優さんに憧れていたので、見よう見真似でせりふを言ってみると担当の先生から“よく人形の口の動きを見てせりふを言えてるね”と褒めてもらえて、嬉しかったのを思い出しました。あまり苦労はしてない・・と山寺さんは仰っていましたが、、本当はいろんな音や声をいつもどこかで気にかけていらっしゃるんではないかなぁ~と感じてしまいました。今回、山寺さんと話している岡田君が少年に戻ったかのように、楽しそうに会話しているのを聴いていて、私も深夜だということを忘れてケラケラ笑いながら楽しんでしまいました♪本当に楽しかったです。ありがとう!」(ku-minさん)

「声優・山寺さんがゲストという事でとっても楽しみにしてました。私はアニメ・声優さん大好きっ子なので、ワタルやアンパンマンの話が出ただけで感動しちゃいました。声のお仕事をしているだけあって、というのもおかしいかもしれませんが、お話もとってもお上手で、楽しくて、「あっ」という間の一時間でした。何より山寺さんがゲド戦記の事を「あれでよかった」とおっしゃっていたのがうれしかったです。私は芸能人の方が吹き替えをしたアニメを見るのが苦手で岡田くんが決まった時、とっても複雑でした。キャラクターや話の背景より、声を出されている方のイメージが強すぎて、内容が後に付いてくるようで好きではなかったのです。そんな中、ゲド戦記は、話に引き込まれパンフレットを見るまで誰がどの役なのかわからない程でした。それほど感動した、のめり込んだ作品だったのに賛否両論で悔しかったのです。でも山寺さんが認めて下さって、自分の事のようにうれしかったです。「誰にもできる事だから」とおっしゃっていたのは、その分とっても難しい仕事なんだと思いました。「声だけで表現する」という難しさ、まだまだ探しているとおっしゃっていたのにも感動しました。今、姪が「声優さんになりたい」と言っています。今日の放送をきいていると思うので、どう思ったか、ちゃんと話がしてみたいです」(ぞんさん)

「就活中の大学4年、大希です。山寺さんがアンパンマンだけでも色々な役を担当している事を知り、懐かしさとともに、改めて声優は子供に夢を与える素敵な仕事だなぁと思いました!僕は正直やりたい事が見つけられず、就活も難航しています。声優というお仕事を生き生きと語る山寺さん、歌手・役者・声優・ラジオと様々なジャンルで活躍している岡田さんのお話を聞くとやはりお二人ともやりたい事を見つけて成功されているのだなぁと感じました!まだまだあきらめずに就活続けて少しでも『やりたい事』見つけたいですo(^-^)o来週も放送楽しみにしています!」(大希さん)

「「はちみつとクローバー」で大好きなローマイヤー先輩が山寺宏一さんだったのに嬉しかったことをおぼえています。私は洋画を見るとき話に集中したいので吹き替えで見ることが多いです。言葉を読みながらだと表情とかを見逃してしまうかもしれないと思って。そのときにやっぱり声って大切ですよね。そう考えると私の中では山寺宏一さんにハズレの声はありませんでした!!最近見た映画の一つ「ブルース・オールマイティ」ジム・キャリーの声はピッタリでした!!この番組を聴いてこれからは声の出演のところをしっかりみようと思いました。笑 これからも頑張ってください★岡田さんのゲドも私にはピッタリでしたので機会があればまた声優をやってほしいです。
ありがとうございました!」(メイさん)

「今日、とても楽しく聴かせて頂きました!!私も、1年ほど前初めてアテレコというのに挑戦したことがあります。といっても何の知識もなく行ったので、アニメの口パクに声をあてるのに必死・・。それどころか、台本に夢中になると声だけが突っ走る・・・。アニメに夢中になると台詞間違えるという事態に・・。ラジオでも話に出てましたが、「いらっしゃいませ」というだけでも、そのアニメの口パクに合わせる。大変でしたね~。とても難しいなぁ~と感じました。けれど、やっぱり口パクがそろうと妙な快感が湧いて、楽しいなという面もありました。しかし、声優さんは凄いと思います!色んな気管を使って声を出すといっていましたが、なかなか想像できないです。山寺さんの様々なキャラクターの声を聴いて、一人で盛り上がっちゃいました。映画など色んなところでのご活躍、期待してます。岡田さんもまた機会があれば声優のお仕事も・・・!!楽しみにしてます★」(碧イルカさん)

「今日は山寺さんのまるで音声マシーンのような声が聴けて楽しかったです。!『まだいろんな声を探している』という言葉が印象的でした。まだいろんな自分を探しているとも聴こえて、どの職業でも基本は同じで、新しい自分を発見していく、研究していくことが大切なのかなと思いました」(suyonさん)