神殿貴族令嬢の茶会

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2021-06-01 18:26:14

「理解できないことがある」
パトーシェ・キヴィアは顔を上げ、彼女を見た。
遠慮なく彼女の向かいの席に座った女――サベッテ・フィズバラーの、わずかに笑みを含んだように見える顔。いったいいつも何が楽しいのか気になる。

「他に席はいくらでもあるだろう。わざわざ正面に座る必要があるか?」
第一王都の中央通り――その片隅にある喫茶房だった。
パトーシェもわざわざ軍学校に外出申請を提出してまで、休暇を使って訪れたのだ。同僚の顔を見たいわけではなかった。とりわけ、このサベッテという女には。

「私をからかってもいいことは何一つないぞ」
「別にからかうつもりはありませんよ」
パトーシェの鋭い視線を平然と受け止め、サベッテは自分のカップをスプーンでかき混ぜる。
そして、パトーシェの手元を一瞥した。猫が描かれたプレートにはいくつもの菓子が――サベッテの目からすれば、明らかに一日の許容量を超過するであろうだけの菓子が満載され、半分はすでに征服されていた。

……やっぱり猫、好きなんですね」
プレートの柄を指摘すると、パトーシェは顔をしかめた。
「それが悪いか」
「いえ。あのパトーシェ・キヴィアがこのような場所で、そういうお菓子を食べていると皆が知ったら驚くと思いまして」
「やっぱりからかっている」
パトーシェはプディングにスプーンを突き刺した。一気に平らげる。

「とんでもない。あなたとはぜひじっくりと会話してみたかったのです。たとえば、そう。軍と神殿の関係性について」
「その論文は先月提出した。きみも似たような主題だったな」
「ええ。読んでいただけたのですか?」
……きみの説には、部分的には同意できる」

やはりこの手の堅い話の方が、パトーシェの興味を引き出せるらしい。
これは手強い相手だ、とサベッテは思う。仲良くなるのによほど時間がかかるだろう。だが、経験上、わかっていることがある――こういう相手ほど、打ち解ければ強力な友人になるということだ。

「私はいまの軍の在り方に不満があります。このままでは魔王現象との戦いにおいて人類が敗れてしまうとは思いませんか? 特に、軍の将校です」
「実績だけでなく、家格を重視する方針は問題だ。私もそう思う」
「それに、もっと見た目のいい方を揃えることも必要です。少なくとも身なりに気を使ってもらわなければ」
……くだらない話をするつもりなら、付き合うつもりはない」
「半分は本気ですよ。真面目に聞いてもらって構いません。いいですか、これこそ民の間の士気の問題なのです。魔王現象との戦いは必ず長期化します。そうなったときに……

――このような会話を、卒業までに何度繰り返しただろう。少なくとも十度以上。
気づけば、お互いに軍で立場を得る頃には、二人は友人となっていた。
そう言ったとき、サベッテは堪えきれずに吹き出したものだ――「認めていただくのがあまりに遅すぎます」と。


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