ドッタの変装技術について

Public 1757views 3 15 518
2021-05-28 17:34:43

……ぜんぜん似合ってねえな、それ」
ドッタがひどい格好で部屋から出てきたので、俺は思わず吹き出してしまった。

白い貫頭衣に、首から下げた鉄の大聖印。
一見したところは神官のようだが、人相から漂う隠しきれないダメ人間感がそれらすべてを台無しにしている。むしろ不審だ。

「だから、やめた方がいいよ」
ドッタは迷惑そうに俺を見た。
「変装して潜入とか……ぼく、やったことないし」
「嘘だろ、いつも泥棒してるじゃねえか」
「してるけど、そんなに計画立てて盗みはやらないよ! ぼくはその場その場の直感で臨機応変に対応するんだから」
要するに、いつも衝動的に窃盗しているということだ。胸を張って答えることじゃない。

「計画立てるときもたまにはあるだろ? 変装した方が楽なんじゃないか」
「そもそも見つからない方が楽だよ。ザイロにはわかんないかな」
「なんか馬鹿にされてる気がするぞ……
「あっ、ぼ、暴力反対! ……もう、これ着て行かないからね。うまくやればいいんでしょ」
ドッタは貫頭衣を脱ぎ捨て、大聖印とともに俺に差し出した。

「ザイロの方が変装すれば? その目つきで絶対バレると思うけど……あ、痛ッ! ほんとに痛い! なにそれ!?」


Press the Nice button to this post.


© 2026 Privatter All Rights Reserved.