◆第98回選抜高校野球大会・2回戦 九州国際大付(雨天順延)専大松戸(25日、甲子園)
雨天順延となった25日の試合で九州国際大付(福岡)のスタメンに「8番・指名打者(DH)」として名前を連ねていたのは、これまで公式戦出場がまったくなかった選手だ。優勝した昨秋の明治神宮大会もスタンドで応援していた。
背番号「12」の木本祥汰捕手(2年)である。
楠城祐介監督(42)は「打撃が好調でした。きのう(24日)の練習でもそうでしたし、選手間でも木本が調子良い、と。(相手投手の)左とか右とか予想に関係なく使おうと今朝決めました。パンチ力もありますし、柔らかさもあります。逆方向に打ったりもできる」と説明した。
中止になる前に交換したスタメン表には、専大松戸の先発が初戦で北照を完封したエースの右腕・門倉昂大(3年)ではなく、背番号「11」の左腕・小林冠太(2年)と記されてあった。楠城監督にすれば、どちらにしても木本に期待を寄せていたのだ。
今大会の開幕直前になって、登録選手が変更された。新たに加わったのが身長164センチの小兵ながら、体重は80キロの木本だった。岡山県倉敷市の出身。中学時代はヤンキース岡山ヤング(硬式)でプレーし、中学3年時には全国大会へ。捕手として出場し、チームは3位。自身は「最後、MVPをもらいました」という。岡山から九州国際大付へ進み、ここまでメンバー入りへ懸命に取り組んできた。打撃が買われて、初めて背番号をもらえた時は「初めて入れてホッとして、うれしかったです」。寮に帰るとすぐに家族へ電話で知らせた。
「とりあえず楽しむことが一番だから、しっかり楽しんで来い」
両親から励まされた言葉を胸に、朝から気合が入っていた。初戦で最速146キロを計測しているエース門倉の映像を見て、研究してきた。
「初球からストライクはしっかり振っていこうかな、という意気込みで(試合を)待っていました。スライダーと真っすぐが良いんで、外の真っすぐを初球から一点張りして、それを逆方向へ打つ意識でいこうかなと思っていました」
予習はばっちり。木本は打撃のイメージを膨らませて、意気盛んに準備をしていたところ、残念ながら降雨のため試合は中止となった。26日に順延。木本にすれば〝幻のDH〟とならないことを祈るばかりだ。仕切り直しの一戦に向けて、楠城監督は「オーダー交換はしていたので、それを含めて楽しんで(あすは)相手も変更してくるのかな、またこっちも変更するのかなと駆け引きも面白いなと思ってます」と話した。