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私が望んだ未来/Novel by Sennou-Room

私が望んだ未来

1,688 character(s)3 mins

どうも、最近リリスをLv120宝具5にしたマスターです。
少し前にX上でアップしたssをこちらにも上げさせていただきました。
嵐の女に幸福は許されるか――それは貴方次第です。

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「襟元良し……胸元良し……髪型良し……」

一軒家の前に立つアテシはもう何度目かもわからない確認をする。
今日という日を迎えるまでに何冊ものファッション誌を読み漁りながら、奇抜でなく好印象を持たれやすく身形を整えてはみたものの……。

「あーだめ、ちょっと乱れてるかも……ここはこうして……」

アテシの内に渦巻く不安感はどうにも拭えないでいる。
別にこれから命をやり取りをしようってわけじゃない。
いや、その方がどんなに気が楽だったろうか。

「ねえリリス。ここに着いてからというもの、もうそれ五回目だけど大丈夫?」
「これから立香のご両親に挨拶するんだよ!? だらしない女だと思われたらマズイじゃん!」

彼が選んだアテシという女が周りから品のないやつだと思われれば、アテシだけでなく彼にまで迷惑が及ぶ。
だというのに、当の彼はこちらの内など知らないのかお気楽ムードだ。
少しは緊張しているアテシの身にもなってほしい。

「身だしなみは良いとして口調にも気をつけなきゃ。今からでも『私』に……いや、後になってアテシというボロが出たときに失望されるくらいなら最初からアテシで通して――」
「リリス」
「ひゃい!?」

プレッシャーに押しつぶされそうなアテシの手を彼が握る。
温かな手の感触と、彼の口から発せられる穏やかな声を聞くだけで、先程まで重かった身体が軽くなる。
この手を掴む主の顔を見上げてみれば、輝く蒼穹がアテシをやさしく見つめてくれていた。

「大丈夫。リリスの真面目なところ、思い遣りがあることはオレが知ってる。グラナートでもカルデアでも、伊達に一緒に過ごしてきたわけじゃないだろ」
「でもアテシ、まだ人の想いや感情をちゃんと理解してるとは言えない。どこまでいってもアテシは人外の悪魔だから、さ…」

この身は人に非ず。
人間たちに死をもたらす悪霊であり悪魔だ。
人間たちが抱く想いや感情を学んだとて、アテシの在り方は人間とは相容れない。
目の前の愛しい人とその近しきに不幸を招く可能性は十分に――

「もしオレの家族や周りの人たちが認めないのなら、オレがリリスを認めさせる。どんな手を使っても絶対に」
「……今の立香ってば本当に中立・善なのか疑うよ?」
「君のためなら混沌・悪になる覚悟はあるよ」
「にゃはは……もしそうなったらお揃いだねアテシたち」

馬鹿だなあアテシ。
彼にだけは迷惑をかけないように、なんて焦る必要なかったんだ。
アテシのためなら……私のためなら汚名を被ることも厭わないお人好しが側にいるのだから。

「ありがとう立香」

藤丸立香。
大嫌いな女の眼を通して見てきた、ただの人。
嵐と夜の化身たる私に寄り添ってくれる、愛しい人。
貴方を想うだけで満ち足りていたのに、それ以上を許してくれる人。

「さあ、入ろう? 父さんも母さんも待ちかねてる」
「うん。それじゃあ――お邪魔します」

貴方と共にいられるのなら、どこにいようと私は幸せです。
たとえ天国でも、煉獄でも、はたまた地獄であろうとも。

愛しています、立香――。

【HAPPY END】

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