藤丸立香の子孫が未来の聖杯戦争に参加する話
何番煎じか知らないけど、思い付きでこんなやつが書けたらいいなという感じで文字に起こしました。
とても短いですが、楽しんで頂けたら幸いです。
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人生というのは思っていたように上手くはいかないものだと、生まれてから未だに14年しか生きていないながらオレは考える。
今だってそうだ。昨日の夜に起こった元軍人の酔っ払いが起こした殺人事件のせいで警官たちにいつも使っている道を封鎖され、遠回りすることになった上に、そのせいで急がないと路面電車に乗り遅れるという時にあともう少しのところで赤信号につかまり、視覚障碍者用の液晶地面(ハックされてアダルトビデオを垂れ流しにしている)の上で立ち往生しているのだ。
いっそのこと信号を無視してでも進んでやろうかとも思ったけど、この街だと普通にひき殺されかねないのでやめておく。
まあ結局トラムには乗り遅れたのでどうせだったらひき殺された方が良かったかもしれない。前に見た本には確かトラックにひき殺されるとすべて上手く行くくらいの能力が手に入り無条件でちやほやされる世界に転生できるらしい。
試す度胸は無いけど、オレと同じようにだれか人生が上手く行かなかった人間が試したことがあるかもしれない。
次の電車はそれから十分後に来た間違いなく遅刻だ。ここまでくるといっそのこともう遅れてもいいかもしれないという考えが、高架道路の裏面にぶら下がっているトラムの中で移動している間、頭の中に思い浮かんでくる。
急いでいったところでオレの行き先は所詮学校なのだ。そもそもこんな毎日頭のおかしい連中と警察が銃撃戦やってるような街できっちり予定通り学校に向かう方がおかしいのではないかとすら思えてくる。
そう思うと少しだけ重たい気分が軽くなったような気がした。
結論から言うと普通に成績から減点されたし怒られた。教育AI風情がふざけやがって畜生め。
まあ別に成績なんてテストでどうとでも取り返せるのだから別に気にはならない。オレは優等生ではないにしても大抵のことは苦労することも無くそつなくこなせるのだから。
とはいえそういうのが気に食わない奴がいることもまあわかる。だから、オレには友達はいないし人に近づかれ辛い。だから学校は楽しくないし、通いたくない。正直な話こんなことをこの街でしたって意味なんてないのだからさっさと働きたいのだ。
確かにこの学校はこの街でそれどころかこの国で唯一の物だし、卒業できればこのままエスカレーター方式でこの街一の大企業に就職できる。しかし、オレには合わない。それは間違いない。
だが、だからと言って簡単にやめれるものではない。それは学校側の問題ではなく家庭の問題だ。
母さんがオレに期待している。この学校を卒業して就職してこの街で唯一の安泰な人生を歩む方法チャンスを己がものにし、その上でトップを取って欲しいという願望。
だからオレは母さんの期待にこたえたい。早くに聖杯戦争に巻き込まれて死んだ父さんの代わりに女手一つでオレをこの年まで育て上げてくれた上に学校にまで入れてくれた母さんに。
そんなこんな頭で考えている内に学校は終わって放課後になる。オレは特に放課後ですることなんてとくには無いのでさっさと帰路に就く。
学校から駅までのコーポの管理下にあるにもかかわらず、お世辞にも整備されていて治安がよさそうだとは言えないような、落書きだの血痕だのがそこらじゅうの建物や地面にべったりと付いていてたり、引きちぎられて機能を停止した警備ロボットの残骸なんかがそこら中にある道を静かに帰る。
制服を脱いで荷物を自分の部屋に投げ捨てて、私服に着替えて家を出る。それが最近の学校が終わってからの流れだ。
母さんは仕事でこの時間帯には居ない。母さんが返ってくる頃にはオレは仕事でいない。淡白に過ぎるような気がするけど、いつもこんなものだ。母さんには本当は何しに行くのかを話していないしバイトの内容も母さんに話せば絶対に心配する。
母さんはオレのウソをすぐに見抜いてしまうからまた無駄に心配をかけることになってしまうかもしれないのもあって顔を合わせて話しづらいのだ。
母さんの期待に応えて勉学に励むべきなのはそうだけど、母さんの負担を減らすためにもこの仕事を続ける必要があるのだ。毎度そう自分に言い聞かせながらぼろい安アパートから抜け出した。
それから1キロ程度歩いてようやく到着した先は小さな元バス停だ。既に十人程度の人間が集まっている。そこに急いで自分も加わる。
リーダー格の男の強面の男がこの場にいる人たち全員に指示を出してコミュニティバスに乗せて発進させる。
これから仕事をする場所に連れていかれるのだ。なんか既に違法性がありそうだというのは認めるが、意外なことにこれから集まった十数人とオレがやることには違法性はあまりない。仕事内容は簡単、街の外に出て落ちてる使えそうなものを拾ってバスに乗せるだけ。
ただ、危険度はこの街で得られる仕事の中では殺し屋と警察に並ぶくらい危険だ。しかし見返りは多いので毎回十人以上の人間が集まるのだ。オレはこの仕事を何ヶ月か前に勧誘されて以来十回以上こなしている。
停止したバスの中から降りて周辺に皆がバラバラに散っていく。バスに残るのは雇い主とその用心棒、と警備用のセントリーボットだけ。まあそれでも街の外で身を守るにはかなり心もとない装備だとバスから降りながら思う。
そこはオレ達が住んでいるあの街よりもさらに大きい街、の残骸、ここはあの一日に百人近くが死ぬクソッタレのようなあの閉塞している街の外なのだ。だが、これほど広い土地があるにもかかわらず誰も積極的にあの街から出ようとしない。
それは今もなおこの地域で鳴り響く銃声と砲弾が飛び交う音と戦闘機械の群れが引き起こす駆動音、それと縄張り争いをしている街中にひしめき合っている魑魅魍魎の大群が理由だ。こいつらがいる限り人類はまともに行動できない。
しかもこんなのは、新人類種との絶滅戦争が起きて環境とかパラテクノロジーの産物と言った何もかもが滅茶苦茶になった上、星間戦争で完全に崩壊したこの世界ではありふれた光景なのだ。振り返ってみるとこの残骸の中特殊な結界に守られぽつんと発展している俺達の街の方が異質に見える。
あの大きいようで小さい異質な街の中では文明が崩壊した今もまだ多くの人たちがよりよい人生を歩もうと争いを繰り広げていると考えると馬鹿らしい。
まあそんなことを前時代の遺物を廃墟街から拾い集めて日雇いで金を稼いでる俺が言えたことでは無いか。
巨大な商業ビルの廃墟の壁をぶち抜いて内側に入り込んで機能停止しているいくつかのエグゾアーマーから使えそうな動力源たるコアを抜いて立ち上がり移動しようとすると、
ふと、あるものが目についた。ミイラ化した人間の腕、それ自体はここら辺ではよくあるものだけど、その腕が手に持っている物にオレは興味を持った。それは頑丈そうなアタッシュケース。あの中にはもしかしたら思わぬ宝物が入っているかもしれない。例えば重要な機密書類とか、大量の金とかといったマニア向けの物とか、運が良ければ時計とか宝石とかの金持ちでも欲しがるような代物があるかも。
そしてオレはそれを手に取った。
突如メキメキと音がなりいきなり床が抜けた。まあ脆くなっていたんだろう誰も整備していないわけだから当然ではある。しかし罠みたいなタイミングだったなとどこか他人事のように考えながら落下していった。
床をぶち抜いて三メートルくらい落下した先はこのビルの地下駐車場だったようで幸い廃棄された車がクッションになって怪我は無い。持ち物も無事だ。
しかし、一緒に落ちてきたエグゾアーマーはヘルメットが砕け散って中身のミイラ化した搭乗者をさらけ出している。こうはなりたくはないなと今更少しばかり怖気ずく。
ただ、ラッキーなことにアタッシュケースの留め具がぶっ壊れて中身が確認できるようになっている。これで何か入っていれば良い臨時収入になるのではと心を弾ませながら開く。
そしてその期待は決して裏切られることは無かった。中身は価値とかはよく分からないけど青い宝石だった。驚くほど精緻にカットされた結晶体、少なくとも数十万は行くものだと思わせるほどには綺麗だ。
今日は本当についている。
だが、これを持ち帰れなければ何の意味もない。
しかも落下するときに轟音が鳴り響いたせいでここに何かしらが寄ってくるかもしれないここは危険地帯だゆっくりとはしている暇はないさっさと移動しようと思いいたって地下駐車場から脱出するための出口を見つけ出し、さっさと地上に出るための手段を探す。
問題発生。さっきの音で地下でスリープしていた機械兵器が再起動したようで十分くらい探し回ってようやく見つけた階段の前に陣取っていた上に生体センサーの探知圏に入り込んだせいでこっちに気付かれた。
思いのほかこのビルの地下は広くて早々に追いつめられるということは無かったけど、オレを今追いかけているタイプは猟犬型だ。足が速い上にセンサーの効果範囲が広く中々撒けない。
結局さっきの地下駐車場まで戻されてしまった。瓦礫に足を取られてこける、しかしそれが不幸中の幸いだったようで機械製の猟犬に装着されていた銃の弾丸を躱すことが出来た。
ただ、そのせいで起き上がる前には銃で撃ち抜かれて死ぬだろうそうでなくとも、あの機械でできた猟犬の四肢から逃れることは出来ない。
だが、人間というのはいざ死ぬという時でもまだ完全に終わったという時でないことには意地汚くあがいてしまう生き物なのだ。
そして今回その悪あがきが功を成した。
一つはオレを追い詰めている犬ころが無駄な消耗を避けるために銃弾を使わない方法、四肢の先に装備された鋭利な爪でオレを殺そうとしたこと。
身も蓋もなく飛びついた一緒に落ちてきたエグゾアーマーが手に持っていたビームライフルがいまだに生きていて発射可能だったこと。
アイツが上手くビームライフルの射線上に飛び込んだこと。
そして最後にビームライフルの収束プリズムレンズは破損していて発射されたビームは一直線ではなく散弾として周囲にまき散らされたことで、咄嗟のことで狙いもクソもなく発砲したので本当だったら外れたはずのエネルギーの塊が直撃したこと。
それによって軽装甲の猟犬型には威力が大きく減退しているビームライフルでも有効だったようで体を熱で溶解させられ動かなくなった。
ただどうやらそこで運は尽きたようで、息を落ち着ける間もなく上からさらに大きな駆動音が聞こえてくる。その次の瞬間、轟音と土埃をまき散らしながら全長三メートルくらいの四足歩行の鉄の塊、重装歩兵型が降ってくる。
そいつに踏みつぶされまいと咄嗟に回避するが、避けた先で何気なく足蹴にされて廃棄された乗用車に向けて吹っ飛ばされる。
背中を強打して肺の中の空気がすべて吐き出され呼吸が出来なくなる。
朦朧とする意識の中オレは強く死を意識する。それだけに思考が塗りつぶされ何も考えられない。
それでもこれは流石に終わったなと冷静なオレの機械仕掛けの電脳の思考で確実に理解する。
だが、オレはそれでもまだ諦めきれなかった。こんな絶望的な状況で一瞬後には人の心のない冷徹な機械にあっさりと殺されるのだとしてもオレはまだ足掻こうとした。
そうだまだオレは何物にもなっていないのにこんなところで終わりたくない。だって母さんの期待にすら応えられていない、オレはもっともっとデカくなりたい。
だからここで終わりたくない、わずかに動かせる腕で何かないかと探るとそこには、さっきの衝撃でポーチから零れ落ちた青い結晶体。
オレはそれを咄嗟に手に取り...
突如としてオレは自分の首をつかんでいたはずの鋼鉄の腕から落ちた。
いきなりの衝撃に驚いて目を見開くと、そこには手を突き出して開いた状態でスパークを散らしながら硬直している何事かと思うとどこからか声が響いてくる。
『全く、何事かと思えばまた何か厄介ごとに巻き込まれていたようですねセンパイ?あれ、何だかおかしな体になっていますね...少し待っていてくださいね。今調整中です...』
声がそう言い終わるとオレの視界に回転するピンク色の花ビラのマークと、NOW LOADINGの文字とバーが浮かび上がる。
「なんだ?誰が話してるんだ!?ハックされてるのか?」
「私の事忘れちゃうなんてセンパイったらひどいヒトですねぇ...。あれ、まさか、人違い...?」
バーがいっぱいになりLOADINGがの文字がOKに変わった途端、人が変わったように静かになってオレの頭の中で何事かをつぶやいた後に、目の前に紫色の髪のおっぱいのでかい美少女が目の前に出現した。
「ま、それはそれで構いません。どうやら人違いだったようなので改めて自己紹介を。私はスーパー優秀な上級チートAI・BBちゃんでーす!今日からあなたの電脳にお世話になりまーす。どうかよろしくお願いしますね?」
妙に甘ったるく人を舐めているような声音で訳の分からないことをくるくる回りながら言って再びこちらに向き合う。
「それで、貴方の名前は?」
そう聞かれて、頭を混乱させつつも条件反射的に答えてしまった。
「えっと、オレはフジマル、フジマル・リツカ...。」
オレは冴えない名前ですねー。とニコニコとひどいことを言うBBと名乗った奇妙な美少女を尻もちをつきながら眺めてこう思った。
あとで帰ったら絶対ドクん所行こうと...
Comments
- 千August 25, 2024