Wiseカードで600ペソ(約5,000円)を引き出したら46万円請求された全記録【メール全文・証拠公開】
4ヶ月間の交渉で1円も返ってこなかった経緯と、Wiseが公式に認めた「リスク構造」について
はじめに
2025年10月1日、メキシコシティのATMでWiseカードを使い、600メキシコペソ(約5,000円)を引き出しました。
Wiseの口座から引き落とされた金額は466,915円でした。
その後4ヶ月にわたってWise、Mastercard、日本資金決済業協会、BBVA銀行と交渉しましたが、2026年2月現在、1円も返金されていません。
この記事では、何が起きたのか、なぜ返金されなかったのかを、Wiseとのメールやり取りを含め、すべて事実に基づいて公開します。
⚠ この記事の目的はWiseを中傷することではありません。 事実に基づいた記録と、海外ATM引き出しに存在するリスクの共有です。Wise自身がそのリスクの存在を公式に認めています。
取引の概要
項目内容取引日時2025年10月1日 17:00頃(現地時間)ATM場所BBVA銀行 ATM、メキシコシティATMの場所(Googleマップ)https://maps.app.goo.gl/LdgMcqW3atMNHXUx6
引き出し操作600 MXN(メキシコペソ)ATMから出てきた現金600 MXN ✓ATM画面の手数料表示なし ✗レシート発行されず ✗Wise口座からの引き落とし466,915円
引き落としの内訳(Wiseアプリの記録):
出金額:277,200円
ATM事業者手数料(BBVA):182,200円
Wise ATM手数料:7,515円
合計:466,915円
ATMの場所について
このATMは、メキシコシティの市街地にあるBBVA銀行の正規ATMです。
BBVAはメキシコ最大手の銀行のひとつで、日本でいえば三菱UFJ銀行やみずほ銀行に相当するような大手金融機関です。怪しい場所でも、無名のATMでもありません。
Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/LdgMcqW3atMNHXUx6
普通の銀行の、普通のATMで起きた出来事です。
★ この件の核心にある3つの矛盾
この記事を読む前に、以下の3点を頭に入れておいてください。すべての問題はここに集約されます。
矛盾①:Wiseの記録に「600ペソの引き出し」が存在しない
ATMから実際に出てきたのは600ペソ(約5,000円)です。
しかし、Wiseアプリの取引記録を見ると、「600ペソを引き出した」という記録がどこにもありません。
Wiseのシステム上は「277,200円の出金」として記録されています。600ペソの取引として処理されていないのです。
では、277,200円分の現金を受け取ったのか? 受け取っていません。ATMから出てきたのは600ペソだけです。
矛盾②:ATMは手数料を表示せず、レシートも出さなかった
ATM画面に手数料の表示はありませんでした。レシートもATMから出てきませんでした。
つまり、証拠を残す手段がそもそもなかったのです。
矛盾③:「証拠がないから対応できない」とWiseに言われた
Wiseの回答は一貫して「証拠(ATM画面の写真やレシート)がなければ対応できない」というものでした。
しかし矛盾②の通り、ATMが手数料を表示せず、レシートも出さなかったのだから、証拠を残すことは物理的に不可能でした。
「証拠を残す手段がなかった」のに「証拠がないから無理」と言われている。これが本件の核心的な矛盾です。
時系列:4ヶ月間の全記録
以下、Wiseとのメールやり取りを含む全記録です。
2025年10月1日 — 取引発生
メキシコシティのBBVA ATMで600ペソの引き出しを実行。ATMから600ペソの現金を受け取りました。
ATM画面に手数料の表示はなく、レシートも出てきませんでした。
後日Wiseアプリを確認したところ、口座から466,915円が引き落とされていることが判明しました。
2025年10月17日 — Wiseに連絡・最初の回答
Wiseサポートに連絡しました。
Wiseの最初の回答(10月17日 15:57):
「ATMの手数料について理解する」という見出しで、以下の一般的な説明が送られてきました。
ATM提供者手数料:提携していないATMは独自の手数料を請求する
通貨換算手数料:国際的な引き出しにおける不一致の主な理由
無料引き出し限度超過:月の限度を超えると約1.75%の手数料
しかし、上記のどの説明を当てはめても、600ペソ(約5,000円)の引き出しが46万円になる理由にはなりません。
私の返信:
「600ペソの引き出しをしてるのに日本円で引き出してる事になってるのはなぜか?600ペソが284,715円になるのはなぜか?再調査してください」
「手数料明細は画面にも紙でも出てきてません。説明も無いので再確認お願いします」
2025年10月17日 — Wiseの追加質問
Wiseの回答(10月17日 23:14):
「ATMから引き出そうとした現金の全額を受け取られた場合、残念ながらATMから現金を受け取らなかったとは申し立てることができません」
「ATMが182,200.00 JPYの引き出し手数料を開示しなかったことを証明していただけますでしょうか」
ATMが手数料を表示しなかったことの「証明」を求められました。しかし、手数料が表示されなかった画面のスクリーンショットなど存在しません。表示されなかったのだから。
私の返信:
「ATMから引き出そうとした金額は600ペソです。日本円で約4,809JPYで、これは引き出せてます。残りの277,200 JPYは出てきてません。手数料の182,200.00JPYも説明画面はなく、手数料表示はあったかもしれませんが、画面を写真取ったりレシートが出てきてないので不明です。ただ、明らかに手数料金額もおかしいため、調査お願いします。ATMに記録はあるはずです」
2025年10月21日 — 紛争処理チームへ転送
Wiseの回答(10月21日 23:38):
「お客様の案件を指定されたチームに転送いたしましたので、さらに調査いたします」
ようやく紛争処理チームに回されました。
2025年10月22日 — 異議申し立ての金額提示
Wiseの回答(10月23日 2:35):
「手数料額を証明する関連文書がなく、ATM手数料にはアクセス手数料が課せられる権利があるため(中略)272,392 JPYと、開示されなかったと主張する182,200 JPYアクセス手数料回収を試みます。これにより、合計454,592 JPYの異議申し立てを進めることを意味いたします」
「通常、Bancomer Saとの取引2962708147に対して、当社はチャージバックの権利を有しません。これは、マスターカードのチャージバックガイドラインがそのようなシナリオに対応していないためです」
「手数料について適切な説明を受けていなかったこと(中略)マーチャントがMastercardの規則に違反しているように見えます」
「アクセス手数料に関する書類が不足しているため、成功した結果を保証できないことをご理解いただけますようお願い申し上げます」
重要なポイント:
通常のチャージバック権利はない
それでもMastercard規則違反の可能性があるため、454,592円の異議申し立てを試みる
ただし成功の保証はできない
私の返信:
「このまま異議申し立てを進めてください。仮にこの金額が戻って来なかった場合、wiseカードを使ってATMで現金を引き出して高額な引き落としをされ、補償されなかったとして、今回の経緯をwiseカード使う人達のリスクとしてSNS含めインターネットで公開するつもりです」
2025年10月27日 — Mastercardへエスカレーション
Wiseの回答(10月28日 1:23):
「この件をマスターカードにエスカレーションし、資金の回収を試みております。ご注意いただきたいのですが、これが成功することを保証することはできません。30日以内に、最新情報をご連絡いたします。」
2025年11月 — 30日間の沈黙
30日が経過しましたが、Wiseからの連絡はありませんでした。
2025年11月30日 — 催促メール送付
30日の約束を過ぎても連絡がなかったため、英語で催促メールを送りました。
"In your previous message, you clearly stated that an update would be provided within 30 days after escalating the case to Mastercard. However, more than 30 days have already passed, and I have not received any update or communication from your team."
2025年12月5日 — Wiseの返答
Wiseの回答:
"I'm letting you know we're currently looking at our case and should be able to update you soon."
「現在確認中で、近いうちに更新できる見込みです」。これだけでした。
2025年12月23日 — Mastercard正式却下
Wiseの回答(12月23日 6:48):
"We have been working closely with Mastercard support to investigate every possible way to appeal this case. Regrettably, Mastercard has officially rejected the dispute for transaction 2962708147, and because we have exhausted all escalation paths, we are now closing this case."
"At this stage, we recommend reaching out to your local consumer protection agency to see if they can provide further assistance."
Mastercardが正式に却下。すべてのエスカレーション手段を使い果たしたため、ケースをクローズする。消費者保護機関に連絡してください、と。
https://www.kokusen.go.jp/ncac_index_e.html
2025年12月23日 — 私の異議
私はケースクローズに正式に異議を申し立てました。
"I must formally object to the closure of this case."
"At a minimum, I request the following: 1. A written explanation of the exact reason Mastercard rejected the dispute 2. Confirmation of whether ATM partial-dispense or cash-delivery error scenarios were formally investigated 3. A formal investigation report or reference number"
2025年12月24日 — Wiseの最終説明
Wiseの回答(12月24日 6:29):
"When we initially reviewed the transaction, it did not fit the strict criteria for any standard Mastercard Chargeback Reason Codes."
"Because no standard code applied, we attempted to help you by filing a Pre-Compliance claim. This is a manual appeal to Mastercard where we argue that, despite the lack of a reason code, a clear injustice has occurred. Unfortunately, Mastercard denied this appeal, and under their operating rules, their decision is final."
"We have no further technical or legal avenue within the Mastercard network to overturn this."
"Please consider this email, along with our previous correspondence, as our final formal report."
標準的なチャージバック理由コードに該当しなかったため、Pre-Compliance claim(特例申し立て)を行ったが、Mastercardに却下された。Mastercardの運営規則により、この決定は最終。Mastercardネットワーク内でこれ以上の技術的・法的手段はない。
2025年12月26日 — 日本資金決済業協会への相談
Wiseとの直接交渉が行き詰まったため、日本資金決済業協会を通じてWise Japanに正式な苦情を申し立てました。
2026年1月9日 — Wise Japan公式回答書
日本資金決済業協会経由で、Wise Japanから公式の回答書が届きました。
回答書の要点は以下の通りです。
事実の確認:
第三者のATM提供事業者によって請求された182,200円の手数料を含んだ459,400円が引き落としされていた
却下の理由:
「証拠不十分であることが大きな要因となっております。通常、引き出しに関する領収書やATM画面の写真など、証明書が必要となります」
免責条項の引用:
Wiseカード特別規定 第8条(保証の否認及び免責):「当社の故意または重過失がある場合を除き、利用者に対して責任を負いません」
繰り返しますが、このATMは手数料を画面に表示せず、レシートも出しませんでした。証拠を残す手段がそもそもなかったにもかかわらず、「証拠がないから対応できない」と回答されています。
2026年1月 — Wise Japanへの追加確認メール
回答書の内容を踏まえ、私はWise Japanに対してリスク構造の明確な確認を求めました。
質問①:
600メキシコペソの引き出しに対して合計459,400円(うち182,200円がATM事業者手数料)という、一般的・社会通念上きわめて高額と考えられる手数料水準であっても、
その「異常性」自体は、Wiseにおいては証拠または判断材料とはならず、ATM画面の写真や領収書等の物的証拠が存在しない限り、取引内容の妥当性を再検討する根拠にはならない、
という理解で相違ないか?
Wiseの回答:
「基本的にはご認識のとおりでございます」
質問②:
Wiseカードを利用してATMから現金を引き出した場合、
ATM事業者が設定する手数料が、社会通念上きわめて高額であっても
その手数料が事前に十分に認識・回避できないものであったとしても
当該手数料は原則として利用者負担となり、後日、返金や補償の対象とならないリスクが常に存在する
このリスク構造が存在するという理解で相違ないか?
Wiseの回答:
「ご認識の通りでございます」
質問③(金額の異常性について):
「金額の異常性」自体は事後的な判断材料としては考慮されないのか?
Wiseの回答:
「『金額の異常性』が実際の引き出し額と引き落とし額の差を指している場合は、ご認識のとおりでございます」
「『金額の異常性』がATM事業者手数料を指している場合は、『事後的な判断材料としては考慮されない』というより、**『当社に重大な過失がない限りはATMの問題から生じる損失(第三者のATM提供事業者は独自の手数料を含む)に対して責任を負いかねる』**ということでご理解いただけますと幸いです」
つまり、どちらの解釈であっても、利用者の自己責任ということです。
2026年1月22日 — BBVA銀行への直接問い合わせ
Wiseとの交渉がすべて行き詰まったため、ATM運営元であるBBVA銀行(Bancomer)に直接、英語で正式な調査依頼を送付しました。
2026年2月現在、BBVAからの回答を待っている状態です。
Wiseが公式に認めたこと
Wiseとの一連のやり取りから、以下のことがWise Japan自身の公式見解として確認されました。
1. ATM手数料がどれだけ高額でも、利用者負担である
「ご認識の通りでございます」
2. 金額の異常性は、証拠がなければ再検討の根拠にならない
「基本的にはご認識のとおりでございます」
3. ATMの問題から生じる損失に対して、Wiseは責任を負わない
「当社に重大な過失がない限りはATMの問題から生じる損失に対して責任を負いかねる」
4. このリスク構造は存在する
「ご認識の通りでございます」
これはつまり、Wiseカードで海外ATMを使う限り、ATM側がいくら高額な手数料を請求しても、証拠がなければ泣き寝入りするしかないということを、Wise自身が認めたことになります。
矛盾の整理
#事実 ①ATMから出てきたのは600ペソ(≒5,000円)②Wiseの記録には「600ペソ引き出し」がない③代わりに「277,200円の出金」と記録されている④さらにATM手数料182,200円が上乗せ⑤合計466,915円が引き落とし⑥ATMは手数料を画面に表示しなかった⑦レシートも発行されなかった⑧→証拠を残す手段がなかった⑨Wise「証拠がないので対応できません」⑩Wise「このリスクは存在します」
海外ATMを使う人への注意喚起
今回の経験から、海外ATMで現金を引き出す際には以下の対策を強く推奨します。
① ATM画面を全部写真に撮る 手数料の確認画面、金額確認画面、通貨選択の画面、すべてスマホで撮影してください。これがないと異議申し立てができません。
② レシートを必ず受け取る 出てこない場合は、その場でスマホに「何時何分、どのATMで、いくら引き出して、レシートが出なかった」とメモを残してください。
③ ATMの通貨換算は絶対にNo 「Convert to your home currency?」「あなたの通貨に換算しますか?」と聞かれたら、必ず「No」を選んでください。これを受け入れると、ATM側の極めて不利なレートで換算されます。
④ 高額引き出しを避ける 少額で分けて、毎回アプリで確認してください。
⑤ 引き出し直後にアプリで確認 異常な金額が表示されていたら、その場でカード会社に連絡してください。時間が経つほど対応が難しくなります。
現在の状況(2026年2月時点)
Wise → すべてのエスカレーション手段を使い果たし、ケースクローズ。返金なし。
Mastercard → 正式に異議申し立てを却下。最終決定。
日本資金決済業協会 → Wise Japanに苦情申し立て。回答書を受領済み。返金なし。
BBVA銀行 → 直接調査依頼を送付。回答待ち(2026年2月現在)。
BBVAから回答があり次第、この記事を更新します。
関連リンク
ATMの場所(Googleマップ):https://maps.app.goo.gl/LdgMcqW3atMNHXUx6
YouTube動画:(リンクを追加)
おわりに
この記事はWiseというサービスを否定するものではありません。海外送金においてWiseは便利で手数料も安く、日常的な利用に不満はありませんでした。
しかし、海外ATMでの現金引き出しには、利用者が想定できないリスクが存在することが今回明らかになりました。そしてそのリスクについて、Wise自身が「ご認識の通りでございます」と公式に認めています。
同じような経験をされた方、あるいは海外ATMの利用を予定している方にとって、この記事が少しでも役に立てば幸いです。
何か情報をお持ちの方は、コメントで教えていただけると助かります。
この記事の内容はすべて、実際のメール、公式回答書、アプリのスクリーンショットに基づいています。
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XのコメントにBBVAの1日に引き出せる額は1万ペソと書かれてる方がいます。いずれにしても引き出し可能上限を超えてるので納得出来ない対応ですね。
全てきっちり読めてませんが海外発行のカードだと1回で引き出せる金額の上限ありますよね?日本のATMだと10万円が上限です。そのため、メキシコのATMで277,200円を1回で引き出す事は不可能です。レシートがなくとも仕組み上不可能な引き出し額です。これに関してどうゆう見解が気になります。
コメントありがとうございます。まさかこんな事になると思ってなかったのでどういう事なのか不明のままなのですが、再度銀行に問い合わせてみたいと思います。
大変災難でしたね。 対策として一意見を申し上げますと、Wiseアプリから、利用限度額→アカウントの限度額→ATMの出金限度額で最低限にしておくことで、盗難時を含むリスク管理になるかと思いました。
ありがとうございます。早速設定しました。これはやった方が間違いなく良いですね。
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